「iPod+iTunesに対抗できるサービスだ」──auのLISMO(2/2 ページ)
PC向けの楽曲管理ソフトを無償提供し、楽曲データをケータイとUSBケーブルで同期可能にする。PC向けの楽曲販売サービスも開始し、KDDIは「PC向けサービス」へと進出する。
PC向け楽曲販売──ベースは「着うたフル」
DUOMUSIC STOREの詳細が明かされるのはこれからだ。
提供する楽曲数は未定だが、11万曲をそろえる着うたフル向け楽曲がベースになると見られる。「フラグを立てるだけで、着うたフルの曲をそのままDUOMUSICに提供できる」(高橋氏)。また、楽曲数自体よりも「新しい楽曲が提供されるかどうかが重要だ」と高橋氏。新曲の登場が早い着うたフルをベースとすることで、「iTMSと比較した際の優位点となる」(高橋氏)。
サービス名 | 開始時期 | 利用状況 | 対応機種 | 稼動台数 |
---|---|---|---|---|
着うた | 2002年12月 | 3億ダウンロード | 70機種 | 1910万台 |
着うたフル | 2004年11月 | 3000万ダウンロード | 18機種 | 535万台 |
待ちうた | 2005年2月 | 50万人 | 1X/WIN全機種対応 |
楽曲の価格も、「これから協議する。値付けは着うたフルと同様、レコードメーカーが決定権を持つ」とした。着うたフルでは300円前後と、高めの値付けが目立つが、こうしたマーケティングデータも踏まえて考えていくという。
携帯電話では動画の再生も可能であり、PC側ソフトの変更で動画の提供も容易に行えると見られるが、「動画はより権利関係が難しい」(高橋氏)と慎重な姿勢を見せた。
「au Music Port」。現在のところWindows XPのみで利用でき、Mac OSなどでは利用できない。携帯とはUSBケーブルで接続する。今回、「W41T」などBluetoothを搭載する端末もあるが、「DRMのセキュリティ上の問題で、Bluetoothを使った楽曲のシンクロは行えない」(ブース説明員)という。なお、au Music Portは対応端末7機種に付属するほか、au Webページなどでの無償ダウンロードを予定している
音楽情報のコミュニティ機能も統合
LISMOには、クチコミを使った音楽情報のコミュニティ機能も取り込まれている。対応端末内にはソニーが開発した「うたとも」が組み込まれており、ほかのユーザーのプレイリストやGPSを使った地域情報から、お薦めの曲をリコメンドする機能を備える。
作成した音楽のプレイリストは、Eメールを使ってユーザー同士の交換も可能。持っていない曲は、すぐにダウンロードページが開くなど、購入に結びつける機能も充実している。
「音楽を“聴きながら”ボタン1つで『うたとも』へジャンプできる。つながった人から新しい曲に。新しい音楽との出会いを作っていきたい」(高橋氏)
iPodとは共存? 競合?
iPodを意識して開発したことを隠さないKDDIだが、まずはiPodユーザーからの乗り換えは意識していない。HE-AACというデジタルオーディオの世界ではマイナーなエンコードを用いているが、ほかの楽曲フォーマットからの移行は行えない仕様だ。
「(HE-AACへの)コンバータは持っていないので、(他の管理ソフトからの)ライブラリの乗り換えには対応できていない。ニーズはあるので、拡張を図っていきたい」(高橋氏)
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