ボーダフォン太田氏が示した、コミュニケーション新構想(2/2 ページ)
ボーダフォンが、コミュニケーションにフォーカスした新サービスを複数紹介した。いくつかは“仮称”の段階だが、今後の同社の方向性、そして巻き返しの可能性を占うサービスといえる。
3D表示ということで、動作が重いのかと思ったが意外に軽快。「携帯ということで、軽いデータをやり取りできるよう注意している」。仮想空間のエリアは追加することも可能で、「別のストリートが新しくできたり、ダンジョンができたり……といったことも考えられる」という。
ボーダフォンではこのサービスを「エンタテインメントと実用性を追求したもの」と話しており、単なるコミュニティに留まらない事業展開も検討している。「仮想店舗での買い物や、ゲームなどを考えている」(太田氏)
携帯版ブログや、メールの強化も
もう1つ、アナウンスされたのがV-コミュニティ(仮称)。これは「いわゆるブログ、SNSのモバイル版」(太田氏)とのことで、「ノート」(仮称)と呼ばれるクローズドなWeb上での日記や、「みんなの部屋」(仮称)と呼ばれる有名人などのオフィシャルブログが提供される予定。ボーダフォンとして、みんなの部屋を通じて開発日記を提供する考えもあるようだ。
「サークル」(仮称)を利用すれば、共通の趣味を持つユーザー同士で掲示板を通じた情報交換を行える。太田氏は、「人と人との心地よいコミュニケーションをサポートする」とうたっている。
携帯メールを強化した「フィーリングメール」(仮称)も紹介された。メールを開く前に受信者に送信者の感情を表示するというもので、着信音、アニメーション、バイブレーションやランプの色などと連動して感情を伝える。
「メールを受信して、『怒っているな、このメールは読まなきゃ』といった具合に感情が伝わる。アバターが現れて、送信者になりかわって思いを伝えるといったことも可能だ」。既に提供されているNECの「感情お知らせメール」に近い発想だ。
Bluetoothはコミュニケーション路線の第一歩
904SHから提供されるサービスの中で、Bluetooth対応の「ちかチャット」などのサービス(3月1日の記事参照)は、同社のコミュニケーション路線を具体的に示した第一歩だといえる。近距離のユーザー同士「軽くサクサクチャットできる」のが特徴で、Bluetoothの通信だから通信料も発生しない。
「声が届く場所にいるのに、なぜチャットするのか」という指摘もありそうだが、ボーダフォン側としては若年層をターゲットにいろいろな利用法を考え出してほしいという。「不謹慎かもしれないが、会議中にめくばせしながらチャットするといった利用もあり得るかなと思っている」
Bluetoothの対戦ゲームは、ちかチャットよりも利用シーンをイメージしやすい。対応端末を持ったユーザー同士が近寄って、サーバを経由せずに気軽に対戦できるものだ。海外では赤外線やBluetoothを利用した携帯ゲームがリリースされているが、国内市場ではこの種の取り組みは今ひとつ活性化していなかった。
「ニンテンドーDSのように、無線LANを利用したコネクションを実現するマシンも出ている。携帯は常に持ち歩いているので、気軽に『たまたまいたからやってみようや』という状況もあり得るのではないかと思う」(太田氏)
関連記事
- ボーダフォン、VGA液晶搭載「904SH」発表
904SHは、VGA液晶だけでなく、GPS機能やFeliCa、6軸のモーションコントロールセンサー、顔認証機能、ソフトウェア更新機能、Bluetoothを使った新サービスにも対応。3Gのフラグシップモデルとなる。 - 再び「イノベイティブな携帯キャリア」めざすボーダフォン
ボーダフォンの「904SH」には、新技術が多数盛り込まれている。背景には、日本市場向けに「ハイエンド端末の開発で勝負しよう」という同社の意気込みがある。 - これぞ究極の全部入り──「904SH」、5つの新機能
「2006年は、本格的な成長に向けた正念場」とするボーダフォンが、その言葉を象徴するようなフラッグシップモデル「904SH」を発表。搭載される5つの新機能/サービスをチェックした。 - ボーダフォン
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.