音楽携帯としての実力は──ドコモ「Music Porter II」:音楽携帯の春モデルを試す(前編)(3/3 ページ)
音楽プレーヤー化が加速する携帯電話。本企画では、今春の携帯ラインアップの中から2つの音楽携帯をピックアップしてその実力を試してみた。初回はドコモの「Music Porter II」だ。
ソフトの作り込みとPCとのスムーズなやりとりが課題
以前の特別企画(2005年12月の記事参照)でも書いたように、ポータブルオーディオプレーヤーに比べると、携帯電話のメモリ容量はまだまだ少なく(本機の場合、メモリースティック PRO Duoのサポートは最大2Gバイト)、特に音楽コンテンツライブラリーが膨大なユーザーの場合は、「大量の楽曲の中から携帯で聴きたい曲を選び出して転送する」という作業が頻繁に発生することになる。
何百と音楽CDを持ち、PCにも多くの音楽コンテンツライブラリーを作っているようなヘビーな音楽ファンの場合、PC上でのデータ管理から転送までの作業において少しでも省力化・効率化が図られなければ、「携帯に好みの曲を持ち出す」という音楽生活を維持するのが困難になる。
Music Porter IIにかぎった話ではないが、この先、ライトユーザーだけでなく、ヘビーな音楽ファンもターゲットに入れ、本気で携帯電話とポータブルオーディオプレーヤーの高レベルな融合を目指すのであれば、音楽携帯としての端末の完成度やPC用ソフトの完成度、PC/携帯間でのスムーズなデータ共有の3点をさらに向上される必要があるだろう。とはいえ、携帯電話とポータブルオーディオプレーヤーの融合の流れはまだまだ始まったばかり。この先のさらなる進化に期待したい。
Music Porter IIの“ながら機能”は
Music Porter IIの音楽プレーヤーは、起動時には常に前面にでている。そのため、音楽を聴きながらほかの操作を行う場合は、側面にある「TASK」キーを押して機能を呼び出すことになる。音楽が流れた状態で利用できる主な機能はメール、iモード、スケジュールの閲覧・確認など。iアプリは起動すると音楽が途切れる。
音楽を再生した状態で音声通話やメールが着信すると、音楽の再生は一時停止状態になる。操作終了後に自動で音楽再生を再開する機能は備えていないので、続けて音楽を聴きたい場合は、音楽プレーヤーの音楽再生ボタンを押す必要がある。
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