ワンセグの“儲け方”を実験 KDDIとテレ朝
4月1日のワンセグ放送本格スタートに向け、KDDIとテレビ朝日がビジネスモデルを模索する共同実験を行うと発表した。キャリア・放送局それぞれの立場で、新たな収益機会を模索する。
携帯電話向け地上デジタル放送(ワンセグ)の本格始動を4月1日に控え、KDDIとテレビ朝日が共同で、ビジネスモデルを検討する実験を始める。テレビ視聴中でもデータ画面からワンクリックでECサイトやプロモーションサイトに飛べる性質を生かし、新ビジネスの可能性を探っていく。
実験では、音楽番組放送中に、関連するキャンペーンサイトのリンクを掲載してユーザーを誘導したり、テレビショッピングで紹介した商品をECサイトで直接購入できるようにしたり、ドラマ放映中に公式サイトのリンクを掲載し、着うたや着ボイス購入につなげる(関連記事参照)。実験は9月までの予定。
テレビ各局は地デジ対応に莫大な資金を投じてきており、地デジビジネスの確立と収益機会の拡大は緊急課題だ。テレビ朝日事業局の小西裕之デジタルコンテンツセンター長は「今後、ワンセグや動画のネット配信が普及し、テレビの広告料は減る可能性がある。座して死を待つわけにはいかない」と、新しいビジネスモデルを模索する必要性を語る。
一方、ワンセグ携帯によるテレビ視聴が普及し、その分音声やデータ通信など従来の携帯電話サービスの利用が減れば、携帯キャリアの収益にも影響が出てくる。ビジネスモデルの確立は、キャリアにとっても急務だ。
KDDIメディア本部の神山隆メディアビジネス部長は、「ワンセグとうまく連携すれば『EZweb』のユーザー層も拡大できる」と期待する。EZwebは低年齢層に、携帯電話のテレビ機能は高年齢層に人気。テレビを通じてEZwebをアピールすれば、高年齢層をEZwebに誘導しやすくなる、という計算だ。
「ネットとテレビは相互補完性が高い。どちらかがどちらを食うではなく、連携させれば、より大きな効果が見込める」(小西氏)
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KDDIが描く放送と通信の連携の図式。それは、マス向けの放送をトリガーにして、携帯電話経由で情報や物販サイトにアクセスさせるという、「EZテレビ」や「EZ FM」の延長線上にある考え方だった。
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