ボーダフォンは3月29日から、「送信ドメイン認証」に対応できるよう、送信メールにSPFレコードの記述を始める。
送信ドメイン認証は、JEAGが迷惑メール対策の一環として提言している「なりすましメール」を識別する機能の1つ。メールの送信元を確認するための技術で、送信元として記載されたドメイン名が本当の送信元と相違ないか、あるいは詐称されたものなのかを受信側で判断しやすくする仕組みだ。相違があれば受信側は受信を拒否するなどの対応ができる。
認証方式には、DNSサーバ上にSPFレコード(メール送信サーバのホスト情報)を公開して、送信されたメールのドメイン名と整合性がとれているか確認する「SPF/Sender ID」方式と、電子署名の仕組みを活用する「DKIM/DomainKeys」という方式がある。
JEAGではこれら2つの併用を推奨しているが、携帯電話/PHSキャリア各社はまずSPFレコードの付与から進めており、今回ボーダフォンが実施するのもこのSPFの付与だ。なおボーダフォンは、SPFを利用しないなりすましメールの受信拒否機能は、2005年3月30日から提供している(2005年3月30日の記事参照)。
NTTドコモは2005年12月7日からSPFレコードを導入しており(2005年12月22日の記事参照)、ウィルコムも2006年3月15日からSPFの記述を行っている(3月14日の記事参照)。ただし、両社ともSPFを用いた受信時のメールフィルター機能は提供していない。一方KDDIは、2006年度中をめどにメールフィルター機能を含めたシステムを導入予定(2005年12月6日の記事参照)だ。
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