IEEE 802.20は「独占的に進められている」? IEEEでの議論
モバイル向けの次世代通信技術の1つ、IEEE 802.20をめぐってIEEEで議論が繰り広げられている。5月5日にはIEEE-SAの議長802.20作業部会に「オープンさが足りない」との書簡を送った。
モバイル向けの次世代通信技術の1つ、IEEE 802.20をめぐってIEEEで議論が繰り広げられている。5月5日にはIEEE-SA(IEEE Standards Association)の議長であるスティーブ・ミルズ氏がIEEE 802.20作業部会に対し、「オープンさが足りないのではないか」との書簡を送った。
メールはWeb上で公開されている。それによるとスティーブ氏は「IEEEでの標準化作業は常に“オープン”で“バランスがとれた”状況で、かつ(何らかの企業/組織の)“独占的支配がない”という原則に沿って進められなければならない。しかしIEEE 802.20作業部会では(利害関係者の)提携関係の開示が不完全で、独占され始めている」とコメントしている。
IEEE-SAはこの状況を数カ月見守っており、数週間のうちに何らかの決定を下す考え。「決定に対するこれ以上の情報は現段階では話せないが、(作業部会が)重大な変更を考えるべきであることを知っておいてほしいと考えた」(スティーブ氏)ためこの書簡を送ったという。
IEEE 802.20は、米Qualcommが積極的に推進しているモバイル向けの高速無線通信技術(1月23日の記事参照)。技術面でWiMAXより優れていることは、複数の業界関係者が認めている(2月9日の記事参照)。一方で、WiMAXがインテルなどを中心に「WiMAXフォーラム」を組織して標準化で先行したのに比べ、802.20陣営は比較的参加企業数が少なく、標準化作業も遅れがちだとされている。
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