総合カタログから消えた「ハッピーボーナス」と「年間割引」
ボーダフォンが配布している総合カタログの9月号があれば見てみてほしい。関東・甲信版では「料金・サービス」のページが大きく変わっているのだ。一体何が起こったのだろうか。
9月1日から配布が始まったボーダフォンの総合カタログに、ある異変が起きた。関東・甲信版の総合カタログでは、「料金・サービス」のページが大きく変わっているのだ。
総合カタログの8月号では、各料金プランに「ハッピーボーナス」や「年間割引」を適用した場合の割り引き後の料金や、「家族割引」とハッピーボーナスを合わせて契約した場合の料金が詳細に掲載されていたのだが、9月のカタログには家族割引以外の割り引きプランが一切掲載されていない。
その代わり、カタログには新しい料金プランである「スーパーボーナス」の告知と、ハッピーボーナスや年間割引、家族割引適用後の料金表が、別紙として挟み込まれていた。
わざわざカタログから内容を削除し、あえて手間やコストが余分にかかる別紙を用意する理由は何なのだろうか。1つ考えられるのは、割り引きサービスを大きく見直す可能性だ。
9月1日から、ボーダフォンは「スーパーボーナス」という新しい料金プランを導入した。スーパーボーナスは、端末のコストをユーザーから確実に回収する仕組みであり、ボーダフォンでは「従来よりも良いサービス」として積極的に推進していく姿勢を見せている。エンドユーザーからすれば、メリットがあるのかどうか非常にわかりにくい制度だが、驚くべきことに、一部のショップでは「10月1日以降はスーパーボーナス以外の料金プランでは契約できない」と案内しているところもあるという。
端末購入時に約1万円の値引きがあることと、新規契約なら2カ月間はまったく料金を払うことなく通話とパケット通信が利用できること、分割払いを選べば、実質的な支払額は現状とほとんど変わらないことなど、スーパーボーナスには一見お得に感じられる要素もなくはない。
しかし、2年(正確には2年3カ月)より短い期間で機種変更をすると、分割払いを選んでいる場合は端末代金の残りの部分も支払わなくてはならなくなるという落とし穴がある。また水没などで携帯を壊してしまった場合にも、壊してしまった機種の残りの代金を支払う必要が生じる。制度をよく理解せず、勧められるままに契約すると、機種変更したくなったときに後悔する可能性もあるわけだ。そんなスーパーボーナスが“義務化”されてしまうのだろうか。
念のためボーダフォン広報部に確認を取ったところ、「確かに従来の料金プランよりも良いサービスとして、スーパーボーナスをお勧めしていきたいと考えている。また、可能ならスーパーボーナスに全面的に移行したいという意向もある。10月1日以降も、約款上のサービスが消えることはないので、ハッピーボーナスや年間割引での契約も拒否はできないが、基本的には受け付けないことになる予定だ」とのコメントを得た。
10月1日、ボーダフォンはソフトバンクに変わる。それに合わせ、さまざまな変更や見直しが行われる可能性は十分ある。カタログページの変更も、何かの布石のように思えてならない。
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