ソフトバンクモバイル、YOZANの基地局設備を共同利用
首都圏を中心に、4.95GHz帯でWiMAXをバックホールに活用した無線LAN事業を推進しているYOZANが、自社の基地局設備をソフトバンクモバイルの3G携帯向け基地局と共同利用すると発表した。
YOZANとソフトバンクモバイルは11月7日、通信インフラの早期構築と、基地局の共同利用を目的とした業務提携を進めることで合意した。
YOZANが展開している、4.95GHz帯を利用したWiMAXサービス用の基地局を、ソフトバンクモバイルの3G携帯電話向けの基地局としても利用することで、通信インフラの早期構築を目指す。まずはYOZANが設置済みの約5500のビル基地局のうち、約3500局(11月7日現在)をソフトバンクモバイルと共用し、3G携帯電話用の基地局としても活用する。
ソフトバンクモバイルは、3G携帯電話の通話品質を高めるため、2007年3月をめどに、NTTドコモの基地局数を超える4万6000局の基地局設置を目標に掲げており(8月8日の記事参照)、急ピッチで基地局の建設を進めている。しかし、基地局建設のためには用地や設置場所の選定と地権者との交渉、近隣住民への説明など、建設工事以外の部分にも時間を要するため、新規に基地局を建設するのは容易ではない。
今回の提携により、既存のWiMAX基地局設備の中にアンテナや必要な機器を追加するだけで3G携帯電話の基地局としても利用可能になるため、ソフトバンクモバイルの首都圏での基地局数が一気に増加することになる。
なおYOZANのIRPR部では「今後も要望があれば共用するビル局の数は増える可能性がある」としている。今回の提携にはソフトバンクモバイルの基地局をYOZANのWiMAXサービスの基地局として利用するといった内容は含まれていない。
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