PHSの累計稼動数が世界で1億契約を突破
ウィルコムはPHS国際化推進団体「PHS MoU Group」の集計として、世界の10月現在のPHS累計稼動数が1億加入を突破と発表した。
ウィルコムは11月8日、2006年10月現在で世界のPHSの累計稼動数が1億加入を突破したと発表した。PHS国際化推進団体「PHS MoU Group」の集計。
PHSは1995年に日本でサービスをスタート。開始時はNTTパーソナル・DDIポケット・アステルの3グループ体制だったが、NTTパーソナルグループは後にNTTドコモに事業を譲渡し精算。アステルグループは各地域の企業に売却された後にサービスを縮小し、順次停波している。
2006年11月8日現在でPHSの全国サービスを行っているのは、NTTドコモとDDIポケットから改称したウィルコムのみ。NTTドコモのPHS事業は終了がアナウンスされており、定額制のデータ通信サービスや音声通話を提供するウィルコム1社が、継続的にサービスを提供している。10月現在の国内契約数は約490万回線。
PHSは、消費電力や電波出力の低さ、基地局設置コストの安さなどの理由に、90年代後半からアジアを中心に海外の通信事業者もPHSを採用。1998年から「小霊通」としてサービスを開始した中国では現在契約数が9330万回線に達し、1999年から開始したタイでは35万回線、2001年から開始した台湾では130万回線、2004年から開始したベトナムでは20万回線が利用されている。タイと台湾では、ウィルコムとの国際ローミングが可能で、日本の端末を持ち込んでの通話が行える。
これらの地域だけでなく、インドネシアやバングラディシュ、南米でもPHSの導入を準備しているという。
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