リッチコンテンツは、PCのような横画面と相性がいい──開発陣に聞く「F903i」のスイングスタイル(2/2 ページ)
富士通製のドコモ端末「F903i」の大きな特徴は、折りたたみ携帯の使い勝手はそのままに、ディスプレイ部を90度傾けた横長画面で利用できるスイングスタイルの採用だ。新スタイル採用の狙いを富士通開発陣に聞いた。
回転をスムーズにするための工夫
ディスプレイ部の回転をスムーズにするための工夫も随所に盛り込まれている。この回転は、3ミリ程度の円盤形の回転モジュールを入れることで実現しているが、このモジュールだけでは滑らかな回転が維持できない。そのため「潤滑性の高いプラスチック製のレールを敷き、その上をケースがすべるような機構を取り入れている」と、富士通モバイルフォン事業部 第2技術部の高田克美部長は説明する。「ディスプレイ側にも数ミリのアクリル素材を使った土手を設けており、すべりがスムーズになっている」(同)
4つのLEDで“間接照明のような光”を表現
F903iのもう1つの大きな特徴が、端末の開閉時や通話時、メール着信時などに、間接照明のように光るイルミネーションだ。
LEDは、(端末を閉じた場合の)背面中央下部の裏側に2つ、(端末を開いた場合の)液晶画面の下部に2つ搭載され、端末の丸みを帯びたラインに沿って光る。
「間接照明のような光は、隠しすぎると見えないし、露出しすぎると上品ではなくなってしまう。LEDのレイアウトや光が出入りする部分の部材の色の微調整で、もっともきれいに見えるように仕上げた」(説明員)
セキュリティ機能も強化
指紋認証ユニットをいち早く導入するなど、セキュリティ機能で定評のある富士通端末。F903iでもICロック周りのセキュリティ強化に加え、開閉ロックとプライバシーモードの使い勝手を改善した。
開閉ロックは、ロックが起動するまでの時間を「閉じた直後」だけでなく「閉じてから5秒後」「閉じてから15秒後」「閉じてから1分後」から選べるようになった。「これまでは携帯を操作しているとき、ちょっとした用事で端末をいったん閉じてしまうと、すぐロックがかかってしまい、そのたびに認証を行わないと端末が使えなかった。F903iでは、それ以外の選択肢も用意したので、自分のニーズに合わせた開閉ロックの設定ができる」(説明員)
プライバシーモードは、このモードに設定した場合でも、電話やメールの着信時には、相手の名前や電話番号が表示されるよう設定できるようにした。
「プライバシーモードは便利だが、着信時だけは誰からなのかを把握したい──というユーザーからの要望があり、それに応えた」(説明員)
ダウンロードフォントにも対応──ほかにもこんな機能強化
F903iは、細かい部分の機能強化も図られている。中でも、「ドコモの903iシリーズの中で唯一」というダウンロードフォントへの対応は興味深い。「ダウンロードしたフォントに変えると、メニューやメールなどのシステムフォントのひらがな/カタカナ部分が変化する」(説明員)。メーカーサイトでは「プリティー桃」など3種類のダウンロードフォントを用意する予定としている。
ほかにも、「フォルダにショートカット番号が割り当てられ、ダイヤルキーからすばやくアクセスできるようになったり、長い文章を入力しても変換候補に出てくるようになったり」(説明員)と、手が加えられたという。
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