第5回 各社のプラン変更時の違いとドコモのプラン変更節約法:ケータイ料金節約講座(2/2 ページ)
無料通話繰り越しは各社が激しく競争している中で、料金プランの変更制度はあまり注目されてない。プラン変更は地味な制度だが、実は料金節約に大きな影響がある。各社のプラン変更制度の違いと、NTTドコモの料金節約「途中プラン変更節約法」を紹介しよう。
ドコモなら海外旅行や国内出張の期間だけプラン変更も……
次はドコモユーザー向けの節約法で、海外旅行や国内出張などのときに、料金プランを途中で変更していく「利用状況に合わせたプラン変更節約法」である。
海外旅行ではレンタルケータイを使うため、自分のケータイは使わないという人向けの節約法だ(国際ローミングを使う場合は下の「変更節約法2」のほうがよい)。この図のように10日に海外旅行へ出かけ、20日に帰ってくると仮定しよう。この場合は、海外旅行出発前にもっとも安いプランに変更する。海外旅行中はケータイを使わないとすると、高い基本プランに入ったままでは損をするからだ。
そして日本に帰ってきたら、その場で元のプランに戻す。こうすれば海外旅行期間中は、もっとも安いプランになるので1カ月の支払額は大きく下がる。使わない期間は、最も安いプランにして基本料を節約しようという作戦である。
ドコモでは、月の途中でプラン変更すると、基本使用料・無料通話ともに日割り計算される。この場合で言えば、海外旅行中の10日分は安いプランの料金、それ以外の20日分はいつも通りの料金となり、無駄は一切発生しない。ドコモユーザーで、ケータイの使用頻度が極端に下がる期間がある場合は、ぜひこの節約法を試してみるといいだろう。
逆に電話をかける量が極端に増える期間があれば、高いプランに変更するとよい。例えば国内の出張でケータイをひんぱんに使う、イベントに参加するためにケータイの利用頻度が高くなる、といった場合だ。
このような場合は国内出張やイベント期間の前に、今より1つ高いプランに変更する。基本料金は一時的に高くなるものの、30秒あたりの通話料金が安くなるため結果として支払額は安くなることが多い。そして国内出張やイベントが終わったら、元の基本料金に戻せばいい。
また海外出張や海外旅行などで、ドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」を使う場合もこの節約法が使える。
ドコモの国際ローミングには、ケータイそのものを海外に持ち出す場合と、SIMカード(FOMAカード)を海外のケータイやレンタルケータイに差して使う場合の2つのパターンがあるが、どちらの場合でも国際ローミングでかかる通話料金に無料通話が充当できる。
ドコモの基本料金と通話分数の目安を下にまとめたので参考にしてほしい。自分の利用頻度を予想して、それに合わせて料金プランを変更しよう。
料金プラン名 | 月額(税別) | 30秒の通話料金(税別) | 1日の通話分数目安 |
---|---|---|---|
タイプSS | 3780円 | 21円 | 待ち受け中心 |
タイプS | 4830円 | 18.9円 | 1日2分以上 |
タイプM | 6930円 | 14.7円 | 1日4分以上 |
タイプL | 1万80円 | 10.5円 | 1日8分以上 |
タイプLL | 1万5330円 | 7.875円 | 1日18分以上 |
ドコモの料金プラン変更のタイミングを、実例を元にまとめておこう。例えば、「16日午後3時にプラン変更申し込み」をしたとする。
- 通話料→16日午後3時以降に新しい料金プランの通話料になる
- 基本料&無料通信分→15日まで古いプラン、16日から新しいプランとなる
このように通話料は申し込んだ後から変更されるが、基本料と無料通信分は、当日の0時にさかのぼって適用され、日割りで計算される。
このプラン変更節約法で大切なのは、自分の料金をできるだけマメにチェックすること。それも請求書ではなく、現在の料金・利用状況を知ることが大切だ。
各キャリアともケータイサイトの料金明細メニューで、前日までの料金と電話の利用分数・パケットの利用量を確かめられる。これを見て、「今月はいくら使ったのか?」「無料通話はどこまで使ったか?」とチェックすることが重要になる。
ここで紹介したプラン変更節約法によって、電話の使い過ぎが防止でき、最適でないプランに入っていることに気づくこともある。最低でも1カ月に1回、できれば1カ月に2回は、自分の料金、利用状況を確かめよう。
新料金になってソフトバンクの無料通話繰り越し制度が変更された
ソフトバンクでは10月26日から新料金体系を導入しているが、無料通話の繰り越し制度も変わっている。ボーダフォン時代には、無料通話が余っている状態でプランを変更すると、無料通話は消滅してしまっていた。
それが新料金のオレンジプラン/ブループランでは、プラン変更でも消滅せずに繰り越しされるようになった。
新料金での無料通話繰り越し制度をまとめると、
- オレンジプランでの無料通話繰り越しは、auと同じように無期限に繰り越し(プランによって上限がある)
- ブループランでの無料通話繰り越しは、ドコモと同じように2カ月繰り越し
- どちらのプランでも無料通話が余っている状態でプラン変更すると、無料通話は消滅せずに繰り越しできる
- 2G→3Gの契約変更の場合のみ、余っている無料通話が消滅
このようになっている。ソフトバンクモバイルのWebサイトやカタログなどには説明はないが、11月13日に同社の広報部へ問い合わせて確認している。ソフトバンクユーザーは、ぜひ覚えておいたほうがいいだろう。
ケータイ料金節約のマメ知識 −ドコモの新プラン vs. 旧プラン−
ドコモでは、2005年11月から新料金プランが導入されている。それまでの旧料金プランもそのまま続けることができるが、新規加入時やプラン変更時に、旧プランを選ぶことはできない。2005年11月から一度もプランを変更していない人は、現在も旧プランのままとなっている。その人がプランを変更する場合、新プランからの選択となる。通話料金は若干の値上げになる可能性が高いが、いちねん割引の割引率がアップするので、おおむね同じ程度の料金になると考えていいだろう。
※本原稿は執筆時点(2006年11月13日)のデータを基にしています。また、料金プランは原則、NTTドコモは関東・甲信越地方、auは関東、ソフトバンクは関東・甲信地方のものに準拠しています。地域によってサービス開始時期や名称、料金などが異なる場合があります。
※料金の試算は概算です。実際に計算した料金にならない場合もあるので参考としてご利用ください。
※各社の基本使用料、無料通話、契約解除料などはすべて税込み表記です。
※各社のサイトやパンフレットで最新の情報を必ず確認してください。
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