“愛”あふれるキャラクター「くーまん」。生誕の秘密と復活の理由(1/3 ページ)
2G端末時代から東芝製携帯ユーザーを虜にした愛すべきキャラクター「くーまん」が、2006年のソフトバンク秋冬モデルでめでたく復活を遂げた。改めて“くーまん”とは何か、どんな魅力があるのか、復活した理由は何か。東芝のくーまん企画担当者に聞いた。
ソフトバンクモバイルの東芝製端末に欠かせないマスコットキャラクター、それが「くーまん」。
その愛らしさはもちろんだが、不定期にユーザーに話しかけてくる、「くーまんのお部屋」で着替えや模様替えが楽しめる、それらに対して「くーまん」も反応するなど、その大変凝った仕掛けがユーザーの心をとらえ、2G端末時代から熱狂的なファンが多く存在する。
このくーまん、3G端末においては搭載が見送られていたが、2006年秋冬モデル「910T」(レビュー参照)で部分的に、そして「810T」(レビュー参照)と「811T」で完全復活を遂げたのである。
めでたく“くーまん”が復活した理由は何か。その魅力を改めてじっくり教えてもらうべく、企画に携わった東芝 モバイルコミニュケーション社 商品企画担当の東懐子氏と同モバイル国内営業担当の伊藤浩二氏に話を聞いた。
“くーまん”生誕の秘密
くーまんが初めて搭載されたのは、J-フォン時代の「J-T010」だった。J-T010は2003年の夏モデルで、まさにディスプレイの解像度がQVGAへ移行していた時期のこと。ディスプレイの高解像度化に加え、CPUの高速化などにより3Dキャラクターを携帯でも手軽に扱えるようになったことが、技術的なバックグラウンドにあった。
「製品開発の中で、“携帯電話は購入していただいた人にとって一番身近なパートナーだよね”という話になりました。朝から晩までほとんど肌身離さずという人も珍しくないでしょうし、寝る時もすぐ隣に置かれることも多いと思います」(東氏)
「目覚まし時計として使われ、何時に起きたのか、誰と通話をしているのか、誰とメールをしたのか、そのようなことを携帯は知っているわけです。そんな携帯を、自分のパートナーであることを具体的に形にしよういう声が出たのが始まりです。ただ、世話をしないと死んでしまうなど、ペット的ではないところも重要で、とにかくいつも携帯の中にいる、自分のそばにいるパートナーとして想定しました」(同上)
「この“パートナー”の企画を進めていた頃、他社さんもメーカーごとのイメージキャラクターのようなものが定着し始めていました。そんなとき、既存のキャラクターとして出会ったのが『くーまん』でした。別途、待受画面への3Dマスコット表示の企画があり、そこにキャラクターとしてドラコミュニケーションズの作成したくーまんを採用することになりました。J-T010では待受画面に登場するだけでしたが、結果的には大好評でした」(同上)
待受画面へ3Dマスコットを表示することは、開発側からは「本当にそんな機能が必要なのか」といった疑問の声もあったという。しかしJ-T010に載ったくーまんの反響は予想以上に大きく、さらに次のステップに進んでいくことになった。
“くーまんの部屋”を初めて搭載したのが、J-T010から1年後に登場した”V601T”だった。J-T010ユーザーを中心に、「着替えさせたい」、「くーまんとお話したい」など、さまざまな声、反響があったためだ。くーまんの部屋はこれらの声を形にしたものだった。
「くーまんというパートナーがいることで、携帯をもっと使いたくなると思えるような機能を形にしたのが“くーまんの部屋”です。例えばスケジュールを登録すると、内容に関連したコメントを待受画面にいるくーまんが話しかけます」(東氏)
くーまんはユーザーのパートナー。単に見て楽しむだけの存在にはしたくないという意識も強かった。スケジュールの内容と連動した動きはダウンロードコンテンツなどでは基本的に実現できない部分であり、最初から携帯の機能として組み込まれることで初めて実現されるわけだ。
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