当面の間は、WiMAXが携帯にとって代わるサービスにはならない──KDDI、小野寺社長
KDDIが次世代モバイルブロードバンド技術として推進しているモバイルWiMAX。KDDIの小野寺社長はKDDIとして注力することは変わりないとしながらも「携帯電話のように全国一斉にエリアを作ってサービスを開始する形にはなり得ない」と話した。
KDDIが次世代モバイルブロードバンド技術の1つとして積極的に推進しているモバイルWiMAX(記事1、記事2参照)。小野寺正社長は定例会見で、改めてその位置付けと課題に言及した。
モバイルWiMAXについての基本方針は、KDDI技術統括本部技術開発本部長の渡辺文夫氏が説明した「携帯電話のビジネスとは別の領域を狙う」というものから基本的には変わっておらず、「WiMAXは新しい市場を開拓するものだろうと思っている。当面の間は携帯に取って代わるようなサービスになることはあり得ないと思う」という見方だ。
モバイルWiMAXはPCを使った通信など、携帯に比べて情報量が多い通信に対するものであると位置付け、次世代通信規格としてKDDIとして注力することは変わりないとしながらも「携帯電話のように全国一斉にエリアを作ってサービスを開始する形にはなり得ない」とした。
PC向けのモバイルWiMAX対応チップセット開発が進み始めていることもあり、「そう遠くない時期にWi-Fi/WiMAXがデュアルでPCに標準搭載されるようになるのではないか」と小野寺氏(12月6日の記事参照)。共用バンドであるWi-Fiと異なり、総務省が帯域を割り当てるWiMAXでは「(通信事業者が)干渉などの問題を解決した上で品質を保証し、サービスを提供できる」とし、「それができる事業者を選んでいただきたいのが本音」だと話した。
なお、モバイルWiMAXの導入に向けて、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本のNTTグループ3社が2.5GHz帯の割り当てに手を挙げていることについては「グループ内競争をやろうという意識が芽生えてきたのであれば、いいことだと思う。NTTグループの中で自ら相互に競争しようという意識が出てこないと、本当の意味でNTT問題は片づかない」と指摘した。
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