CATVネットワークでPHSのエリア拡大──ウィルコムとJ:COMが実証実験に成功
ウィルコムとジュピターテレコムは、ケーブルテレビネットワークとPHS端末を連携させる実証実験を行い、成功したと発表した。山間部やビル陰などのでの利便性向上を期待できるという。
ウィルコムとジュピターテレコム(J:COM)は、情報通信研究機構(NICT)の委託研究テーマ「ケーブルテレビネットワークにおけるモバイル端末接続技術の研究開発」プロジェクトの一環として、ケーブルテレビネットワークとPHS端末を連携させる実証実験を行い、成功したと発表した。両社はケーブルテレビネットワークとPHS事業者のインフラをIPネットワーク接続することで、山間部やビル陰などの電波が遮断された場所でのサービス展開を期待できるとしている。
J:COMのサービスエリア内(東京都練馬区高野台)に試作基地局10台を設置した限定的なサービスエリアを構築し、エリア内におけるPHS端末からの発着信の接続率や通話品質、データ通信速度の検証を実施。その結果、瞬時のハンドオーバー処理や99%以上の接続率、300kbps以上のデータ通信速度の確保など、現在提供中のPHSサービスと同等の品質を得られることが確認できたという。
なお、今回の研究開発はJ:COMとウィルコム、東京農工大学の3者が共同で実施。CATVネットワークとPHSを連携させるために(1) ケーブルテレビネットワークに影響を与えない新たなモバイル信号制御の開発(2)ケーブルテレビネットワークの信号から同期をとるためのクロック信号を抽出し、基地局間の送信タイミングの同期を確保するための開発(3)性能を検証するための試作基地局の開発 の大きく3つの技術開発を行った。
ウィルコムは今後、NICTやJ:COMと商用化に向けた検討を進めるが、商用化の時期については未定としている。
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