オリジナル動画と機動性で勝負する──米国発「アンプドモバイル」の携帯コンテンツ戦略(2/2 ページ)
独自コンテンツ作成用の中継車を持ち、イベント中にオリジナルの動画や静止画を配信。オフィスは人気ドラマ「24」で使われたCTU本部のセット……。日本に上陸した米コンテンツプロバイダ、「アンプドモバイル」のコンテンツ戦略とは。
日本で米国のコンテンツは受け入れられるのか
日本のコンテンツ市場への参入にあたって懸念されるのは、米国のコンテンツが日本のユーザーに受け入れられるかどうか。平井氏はamp'd mobileのコンテンツには、日本のユーザーが関心を持ちそうなものも数多くあり、それらをタイムリーに配信することで対応できると話す。
「アカデミー賞やグラミー賞などのレッドカーペット特集や、セレブ関係の情報は日本でも関心が高い。米国のコンテンツ編成チームはハリウッドから移ってきたスタッフも多く、レッドカーペットにも入っていきやすい。会場にクルーを送り込んで、その映像を日本向けにタイムリーに提供することもできる」(平井氏)
また、アメリカ発の情報を、その日のうちに日本で視聴できるくらいのスピード感を目指したいとも話す。「メジャーリーグなどのスポーツコンテンツも、例えばボストン・レッドソックスの松坂投手が打たれたら、その映像が3時間から6時間後くらいにモバイルで配信され、壁紙も入手できるような形にもっていきたい」(平井氏)
コンテンツは、その面白さがリアルに伝わるように翻訳し、携帯の小さなスクリーンでも見やすい長さとタイミングで表示するなど工夫しているという。
日本発のコンテンツ作りにも意欲
平井氏が今年の目標の1つとして挙げるのは、日本のオリジナルコンテンツを制作し、配信する体制を整えることだ。その第1弾として企画しているのが、ストリートファッションを紹介するamp'd mobileオリジナル番組「Fashion Sense」の日本版。若者のトレンドエリアにクルーを送り、おしゃれな子に着こなしのポイントやどのブランドのアイテムなのかをインタビューする番組を日本で収録する計画だ。
「原宿などの日本のファッションは、世界でも注目されている。日本だけでなく、海外でも受け入れられるコンテンツになりうる。ほかにも日本にはアニメやマンガ、原宿カルチャー、コスプレ、アキバなど、独特の面白い文化があるので、こうしたコンテンツを日本発の情報として出していきたい」(平井氏)
またプロモーションの一環として、日本のライブイベントやスポーツイベントにも積極的にコミットし、そのライブ映像をストリーミングに近い形で提供することも検討しているという。
amp'd mobileは“ライフスタイルブランド”として各国の若者に定着することを目指しており、すでにサービスを開始しているカナダを始め、今後展開する国においても「統合されたプラットフォームとしてコンテンツを配信できるのではないか」と平井氏は話す。
動画配信サービスが定着し始める中、オリジナル動画と機動性をウリにするアンプドモバイルが日本でどう評価されるのか。そのお手並みに注目だ。
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