ぱぱっとすすっと、カメラで“遊べる”防水ケータイ──「W53SA」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
キルティング加工を施したような特徴のあるデザインに、ワンセグと防水性能を備えた三洋電機製の「W53SA」。特にカメラ機能を強く意識した端末ではないが、防水性能による活用範囲の広さや「ぱぱっとパノラマ」など、カメラで“遊べる”機能を搭載する。早速、本機のカメラ性能はどうか、どう遊べるか試してみよう。
まぁ画質面ではこんな感じか、というところ。ただ、それ以上にいろんな機能で遊べるのが三洋電機端末。メニューから「カメラ」を選ぶと、ずらっと8つの項目がリストアップされる。
三洋電機製端末ならではの機能はこのうち、「パシャ文字」(3と4)系と、「ぱぱっとパノラマ」&「すすっとスキャン」(7と8)だ。
「パシャ文字」は撮影した写真から文字だけを抜き取る機能(ちなみにかなり以前から備わる機能)。実際には文字というより背景とコントラストが高いところを検出してるようで、白い紙に手書きで何か描くと、それをうまいこと抜き出してくれる。「パシャ文字カード」は背景に選んだ写真にその抜き出した文字部分を合成して1枚にしてくれる。「パシャ文字メモ」は“背景なしのパシャ文字カード”と思ってくれればよい。
地図の写真を背景にして、手書きの文字を重ねてみた。パシャ文字はこんな感じで撮れる。こんな風に手書きコメント付写真をさっと作れるのがポイントだ。画像サイズは240×320ピクセル固定なので、そのまま手書きメモ付き画像をメール送信という使い方が便利そうだ。
次は新機能の「ぱぱっとパノラマ」と「すすっとスキャン」。このネーミングは……まぁベタだけれども、ベタなりのよさが出でていて面白い。
これら機能の特徴は、撮影しながらカメラを動かすことでリアルタイムで画像をどんどん生成していくことだ。“ぱぱっとパノラマ”から試してみよう。
画面上に十字カーソルが出るので、決定キーを押したまま水平線がずれないようにゆっくり横に動かしていく。すると、画像がどんどん横長になり、パノラマ写真が撮れていくという仕組み。決定キーから指を離すと完成だ。
この2枚がぐるっと180度ほどを撮影したパノラマ写真。1枚目の交差点の作例などはけっこう面白くできた。カメラを左から右に動かしながら撮っているので、横断歩道を歩く人が「分身の術」状態(笑)。少しずつ縦長の画像を合成していっているのが分かる。2枚目はかなりの広角レンズで撮ったものみたいに仕上がった。
もっとも、まっすぐにゆっくり動かしながら撮るのはかなり難しい。途中でずれたり“動きが早すぎる”とメッセージが出たりする。というわけで180度と高望みはせず、もう少し狭い範囲で遊んでコツをつかんでおきたいところ。
一方の“すすっとスキャン”は縦横自在にカメラを動かすことで広い範囲が撮れる機能で、近距離の書類などを広い範囲で記録したいときに使う。横方向のみのぱぱっとパノラマとはここが違う。
画面中央部に正方形の撮影エリアが表示され、決定キーを押しながらカメラを動かすと動かした範囲の画像が記録されていく仕組み。この機能はさらに難しい。速く動かしたり、カメラが遠ざかったり近づいたりすると警告メッセージが出る。
では壁に古地図を貼って、その一部を“すすっとスキャン”してみよう。
2枚目の縦長の画像は、実物で高さが20センチくらいのものを撮影した。カメラを動かした軌跡がそのまま記録されるので、このようにいびつな形になる。ぱぱっとパノラマと同様、きれいにスキャンするのは慣れないと難しいが、縦長や横長など形状に縛られず、書類など近距離にあるモノをさっとスキャンできるのが面白い。操作に慣れればいろいろなことに使えそうだ。
なお、ぱぱっとパノラマもすすっとスキャンも撮影はオートのみで、露出補正などはできない。また、画像サイズも自動のみとなる。
ついでに動画も撮ってみよう。
動画は3GPP2形式で、QVGAに加えてVGAサイズも記録できる。QVGAに関しては横位置と縦位置の両方をサポートする仕様なのがなかなか面白い(VGAは横方向のみ)。どちらも約15コマ/秒で、デジタルズームが可能。それなりに滑らかな動画が撮れる。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
W53SAのカメラ機能は、ダイナミックレンジが狭く色もくすみ気味の傾向があり、画質的には不満点はある。
ただ、ぱぱっとパノラマやすすっとスキャン、パシャ文字系などのお遊び撮影モードは“遊べる”。こういう“お遊び”はケータイならではの成せるワザだと思う。このお遊びの不満は、使いこなすのが予想以上に難しいので、なんとなく練習が必要ということか。
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