ニュース
液晶がスキャナーに、さらに指紋センサーに──シャープ、モバイル機器向けの新液晶パネル開発(2/2 ページ)
“出力”デバイスの液晶ディスプレイは、今後“入出力”デバイスに──。シャープが画素に光センサーを内蔵した液晶パネルを開発した。携帯やスマートフォン、モバイルPC、デジタルカメラなどのモバイル機器に搭載する液晶ディスプレイが今後、操作インタフェースなどの入力機器として応用できるようになる。
従来の抵抗膜方式タッチパネル液晶はタッチパネルフィルムを液晶パネルの上に貼り合わせる構造。そのためバックライト光のロス(80%〜90%ほどに減少)や外光を反射しやすい課題があった。光センサ内蔵システム液晶は別途貼り合わせるフィルムが必要ないため、液晶パネル本来の表示能力を損ねず、かつ薄型化できる大きなメリットがある(左)。コピー機を使うように、ディスプレイの上に名刺を置くだけでスキャンできる。その後、端末側の処理で文字を認識させ、そのままアドレス帳に登録するなどの動作が想定できる(右)
近年、携帯やスマートフォン、PC、AV機器、ポータブルゲーム機など、タッチパネル付き液晶ディスプレイを搭載する機器が増えている。同社によると出荷台数が約100万台だった2006年度に比べ、2007年は約130万台、2009年度は約200万台と、年28%の伸長率で伸びると予測。モバイル機器用のディスプレイはタッチパネルの搭載が必須になりつつあり、さらなる「美しい表示」「薄型化」そして「使い勝手」が求められてくる。
特にこの液晶が携帯に採用されると、十字キーとダイヤルキー操作が基本だった携帯の操作性にも大きな変化をもたらしそうだ。シャープはドコモ向けの「SH904i」でTOUCH CRUISERという新たな操作デバイスを採用したが、おそらくこれより直感的に端末を操作できるようになる可能性を秘めている。
関連記事
- コントラスト比4倍、応答速度は3倍──シャープが新型モバイルASV液晶を開発
シャープは4月17日、携帯電話などのモバイル機器向けに開発した新しいモバイルASV液晶を発表した。コントラスト比2000対1、視野角176度、応答速度8ミリ秒と高性能だ。 - “闇夜のカラス”が見える「メガコントラスト液晶」、シャープが公開
シャープは、100万:1のコントラスト比を実現した液晶パネル“ASV液晶プレミアム”「メガコントラスト液晶」を発表した。放送局のスタジオや中継車など制作現場のマスターモニターとして2006年度中に製品化する予定だ。 - 1台で3画面を同時表示する「トリプルビュー液晶」、シャープが開発
シャープが液晶ディスプレイの視野角制御技術を進化させ、左右と中央の3方向で異なる画面を表示できる「トリプルビュー液晶」を開発した。 - TV、PC、カーナビそしてゲームにも新たな活用方法を広げる、シャープ液晶技術の可能性
シャープは、「デュアルビュー液晶」「ベールビュー液晶」という2種類の液晶ディスプレイ向け技術開発開発を発表した。左右の視聴位置により1台で2画面ぶんの映像表示を可能とするものとして、家庭用TV、PC、ゲーム、広告用ディスプレイ、携帯電話などといった機器へ活用できるとしている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.