ワンセグのホイップアンテナが不要に?──アルプス電気が33ミリのアンテナを出展:CEATEC JAPAN 2007
ワンセグ端末に、必ずといっていいほど搭載されているホイップアンテナ。体積やデザインに制約が生まれるこのホイップアンテナを置き換えうる小型のワンセグアンテナがアルプス電気ブースで展示されている。
今や携帯電話の標準機能の1つになりつつあるワンセグだが、番組を視聴する際には、端末に備わるホイップアンテナを延ばす必要がある端末がほとんどだ。
しかし、KDDIが9月30日に発表したau design projectの第7弾「INFOBAR 2」は、美しい曲面を表現するためにホイップアンテナを搭載していない。INFOBAR 2はワンセグ用のアンテナを内蔵しており、外付けのアンテナ兼イヤフォン変換ケーブルを接続しなくても、強電界であれば放送波を受信してワンセグが視聴可能になっている。このように、今後ホイップアンテナは、通信用のアンテナが内蔵されていったのと同様に、いずれ端末に内蔵されていくことになるだろう。そのためには高性能かつコンパクトな内蔵アンテナが必要になる。
そんなワンセグアンテナ内蔵への足がかりが、アルプス電気ブースに参考出品されている。携帯電話やポータブルデバイスに内蔵することを想定した、UHF帯の電波を受信するための小型アンテナだ。「チューナブルアンテナ」と名付けらたこのアンテナは、同社が以前からプライベートショーなどでも出展してきたアンテナとよく似ており、モバイル機器の基板に誘起したUHF帯の電磁界をピックアップする。今回展示されているアンテナのサイズは幅4ミリ、長さ33ミリ、厚さ4ミリ。
説明員によると、「まだまだこの大きさでは携帯電話には採用していただけません」とのことだが、当然携帯電話への採用は目標に入っており、さらなる小型化を目指す。
ちなみにワンセグ用のチューナーは、すでに小指のつめくらいのサイズに小型化されている。現在アルプスが出荷しているチューナー(ドコモの「F904i」に採用)は8.4ミリ四方で厚さが1.5ミリだが、7.9ミリ四方、厚さ1ミリまで小型化したチューナーも参考出品されていた。消費電力は95ミリワットにまで低減される。なお、これよりさらに小型化することもまだ可能とのこと。
関連記事
- 特集:CEATEC JAPAN 2007
- 「INFOBAR 2」は有機ELにワンセグ搭載、おサイフケータイとLISMOに対応
KDDIは、au design projectの第7弾モデルである「INFOBAR 2」を発表した。2.6インチのワイドQVGA有機ELを採用し、予約録画も可能なワンセグ機能を搭載。おサイフケータイとLISMOに対応する。 - CEATEC JAPAN 2007:ムラタセイサク君、ワイヤレス充電システムをアピール
村田製作所ブースでは、あのムラタセイサク君が技術の進歩で近未来の生活がどう変わるかを紹介。エプソンと共同開発するワイヤレス充電システムもしっかりアピールしている。 - CEATEC JAPAN 2007:スーパー3GにモバイルWiMAX──ドコモ、KDDIがデモ
CEATEC JAPAN 2007のドコモブースでは、スーパー3Gのデモが初めて一般公開されている。またKDDIブースでは、モバイルWiMAXの無線デモを行っており、性能の一端が垣間見える。 - CEATEC JAPAN 2007:ドコモ、「人体通信」をデモ──自分の体を通信に活用
CEATEC JAPAN 2007のNTTドコモブースに「人体通信」なる技術とその活用提案例が展示されている。体内に微弱な高周波の電気信号を通し、自分の体を経由して送受信機器間で通信するものだという。 - CEATEC JAPAN 2007:“タッチパネルになる”光センサ内蔵システム液晶を展示、端末フルラインアップも──シャープブース
液晶テレビ「AQUOS」の展示が中心となるシャープだが、ドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコム、イー・モバイルに端末を供給する端末メーカーでもある同社のブースは、端末の展示スペースも充実している。モバイルASV液晶の技術展示などにも注目だ。 - CEATEC JAPAN 2007:脈拍、体脂肪、口臭、消費カロリー……チェックはケータイにおまかせ──ドコモのウェルネスケータイ
脈拍や体脂肪、消費カロリー、口臭のチェックが1台のケータイでできてしまうのが、ドコモのウェルネスケータイ。いつも身近にあるケータイが、健康維持をサポートする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.