月々安いか、購入時安いか──KDDI、新料金・携帯購入制度「au買い方セレクト」開始
KDDIはau携帯向けの新たな料金・携帯購入方法を11月12日に導入。ユーザーは、同社が購入金額の一部を負担する代わりに月額利用料金がやや高い“フルサポートコース”、月々の利用料金を抑える代わりに購入時の金額補填がない“シンプルコース”の2種類から選択できるようになる。
KDDIは10月4日、au携帯の新たな料金と販売方法「au買い方セレクト」を11月12日に導入すると発表した。
au買い方セレクトは、ユーザーが使い方に合わせて携帯購入方法を選択できるようにしたのが特徴。新規および機種変更双方で利用できる。初期費用を抑えて携帯を購入したい/充実したサポートで快適に利用したいユーザー向けの“フルサポートコース”、月々の利用料金を抑えたい/携帯をあまり買い換えないユーザー向けの“シンプルコース”を用意する。
フルサポートコースは2年間の利用が条件で、同社が購入価格の一部(2万1000円)を補助する「購入サポート金額」制度が使える。「誰でも割」などの定期割引サービスの契約解除料を無料にするほか、「auポイントプログラム」のポイント付与率が大幅に向上する。
シンプルコースは、端末購入時の補助は受けられない。代わりに割り引きサービスの加入なしでも低廉の基本料金、通話料の「シンプルプランL」「シンプルプランS」を選択できる。
au買い方セレクト | フルサポートコース | シンプルコース |
---|---|---|
概要 | 安く携帯を買いたい 充実したサポートを受けたい |
月々の利用料金を安く抑えたい |
申し込み条件 | au携帯新規/機種変更時(ただし、au買い方セレクト開始以前から使用する現auユーザーは、変更前の機種の利用期間が7カ月以上を経過している場合に限る) | |
購入サポート金額 | 2万1000円 | なし |
利用年数縛り | 2年間(期間中の解約は解除料発生) フルサポート解除料 ・12カ月目まで:1万8900円 ・18カ月目まで:1万2600円 ・24カ月目まで:6300円 |
なし |
料金プラン | 現行の料金プランと同じ。 ※「誰でも割」などの定期割引サービスを契約している場合、割引サービスの契約解除料を無料とする |
シンプルプランL:基本使用料2625円/月、通話料10.5円/分 シンプルプランS:基本使用料1050円/月、通話料15.75円/30秒 ※テレビ電話通話料は上記の1.8倍 ※パケット通信料は現行プランと同水準 ※両プランは各種割引の基本使用料割引の適用なし。ただし「指定割」「家族割」「スマイルハート割引」の通話料割引は適用 ※ダブル定額ライトなどのパケット割引サービスは契約可能 ※両プランの場合、封書での請求書発行に1請求あたり105円が必要(ただし2008年11月請求分まで無料) ※現行の料金プランとそれに付随する各種割引サービスも選択可能 |
auポイントプログラム | 100円につき4〜7ポイントに付与率拡大 100〜4999円:4ポイント(2倍) 5000〜9999円:5ポイント(2.5倍) 1万円〜:7ポイント(3.5倍) |
マンスリーポイント、アニバーサリーポイント、プレミアポイントなどの付与なし ※KDDIまとめて請求利用時に、KDDIのほかのサービスの契約に応じたポイントや「まとめてau支払い」の利用額に応じたポイントなどは例外 ※現行の料金プランを選択した場合、フルサポートコースと同様のauポイントを付与 |
現auユーザーが(サービス開始後に)機種変更する場合は「au買い方セレクト」の利用が必須となり、機種変更時にフルサポートコースかシンプルコースのいずれかを選ぶことになる(利用期間が7カ月に満たない場合はシンプルコースのみ選択可能)。現在の端末を利用する限りは、au買い方セレクトによる各種変更は適用されない。
また、データ通信カード用の「PacketWINシングルサービス」ユーザーの場合、両コースを選べるものの「シンプルコース」にPCデータ通信のための低廉な料金設定がないことに注意が必要だ。
au買い方セレクトの開始にともない、アフターサービスを充実させた月額会員制サービス「安心ケータイサポート」を開始する。料金は315円/月。サポートメニューは以下の通り。現auユーザーについては、「安心ケータイサポート」の非会員と同等のアフターサービスレベルとなる。
- 会員限定:同一機種を1年以上継続利用した場合、バッテリーパック1つ無料(ただし、PacketWINシングルサービスの場合は適用なし)
- 会員限定:同一機種を継続利用で1年間無事故の場合、無事故ポイントバックとして1000ポイント付与
- 共通:保証内の場合、修理無料(会員は5年、非会員は3年)
- 共通:水濡れ、全損以外の修理代金割引(会員は全額、非会員はユーザー負担上限5250円)
- 共通:水濡れ、全損時のリニューアル代金割引(会員はユーザー負担上限5250円、、非会員はユーザー負担上限1万500円)
- 共通:盗難、紛失時に新端末を購入する場合の「フルサポート解除料」減免ないし購入代金割引
このKDDIの発表を受け、NTTドコモは「インセンティブモデルに関する問題は認識しており、相応の方法も検討・議論はしている。ただ、ドコモもやると報道はされたが決まったことはなにもない。いつ頃か、追随するかということも含めて、導入するか否かも現段階では未定」(広報部)と返答した。
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