704iシリーズのカメラでは最強仕様、しかし……発色は少々期待はずれかな──「P704i」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/2 ページ)
厚さ13ミリ台のスリム&軽量スライドケータイ「P704i」。このサイズに“パッ”と光るフラッシュと、手ブレ補正機能付きの200万画素AFカメラを詰め込み、704iシリーズとしては最強クラスのカメラ仕様を実現する。そもそも“写り”はどうか、“パッ”と光る「スマートフラッシュ」の効果はどうか、使い勝手はどうかといったポイントをチェックしていく。
色がくすみがち……ちょっと残念
今回はいきなり青空の撮影からチェックしていこう。
青空の色はきれいだ。この作例は森の緑のくすみと提灯の赤がちょっとにごりぎみなのがやや気になるくらい。まぁいいかな、と思ったわけだが……。
ちょっと角度を下げて撮るとこんな“うわ……”な写りになった。かなり前のCMOSセンサー搭載機っぽい、くすんだ写り。70xiシリーズだとこの辺は仕方ないという考え方もできるが、カメラ機能をウリの1つにした端末のわりにはちょっと……という印象だ。
では、いつもの黄色い象のすべり台とあずまやを。
象のすべり台は、黄色にまったく鮮やかさがない。本機はAF付きだが、ディテールもイマドキのAF付き200万画素カメラとしてはかなり甘い。
寄るとそれなりにディテールは出る。しかし、色が全体にくすんでいる感じが非常に残念だなぁと思う。
では室内の撮影はどうか。まずは蛍光灯下から。
手ブレ補正無効時の作例のシャッタースピードはなんと1/13秒。あまり感度を上げてくれなかったようで、これだけゆっくりだといつもと同じように撮っても手ブレしてしまう。手ブレ補正を有効(オート)にすると少し画像サイズが小さくなるが、ブレはかなり抑えられた。なかなか効くので、手ブレ補正は積極的に活用したい。
ではウリの1つ、スマートフラッシュをチェックしてみよう。
フラッシュがうまく届く範囲は(発光量が固定のため)決まっているものの、ほどよい距離(この作例は約30センチ)だときれいに撮れる。
次は白熱灯下。
白熱灯の色はうまく補正されたが、暗い場所だと色がくすむ傾向がやや強くなる。例えば、黄色いミニカーの色を蛍光灯下の作例と比べてみると分かりやすい。
ではさらに暗いとどうなるか。光源をろうそく1灯のみにして撮ってみる。
暗部にノイズが頻発し、かなりつらそう。
ここでスマートフラッシュを発光。撮影の瞬間だけ強く光るフラッシュ発光と、常時点灯するフォトライトだけの2種類で撮り比べる。
光量の違いが分かるだろうか。
マクロはいちいちAFモードを“接写”に設定しなくても、通常のAFでマクロの距離からピントを合わせてくれるのはよい。
では、通常の室内シチュエーションでも撮ってみよう。……とうちの猫を探したら、なんと納戸に積み上げてあるダンボールの上に隠れていた。丁度よかったのでスマートフラッシュあり/なしで撮り比べよう。
こんな感じである。
最後におまけ。
サンタクロースのろうそく(帽子を取ると中がろうそくになっている)にマジックスタンプの「燃える目」を張り付けて、お星さまのフレームを合成してみた。撮ったあとのお遊び系編集機能はそこそこ充実。240×320ピクセルの写真を撮って、こうやって遊ぶのが一番いいかも。
さて、今回試したP704iは70xiシリーズにしてはカメラ機能が充実しているかなと期待していたが、やはり90xiシリーズと比べると弱いなぁという印象だ。もちろん使い勝手はそこそこいいし、サクサク感も快適ではある。しかし、写りはハイエンド端末が使うCMOSセンサーとは、同じ画素数でもワンランク劣ったもののような感じだった。
ディテールが甘いのは画像サイズを下げて使えば、用途にもよるが大きな問題にはならないことも多いと思う。しかし色はごまかしにくい。もう少し鮮やかな色を出してほしかった。
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