セイコーインスツル(SII)は2月12日、仏Varioptic(バリオプティック)が開発した“液体レンズ”の製造を受託し、今秋にも量産を開始すると発表した。
液体レンズは、水溶液と油を封入した容器(レンズホルダー)に電圧をかけると、水溶液と油の境界面の形状が変化するという性質を利用したもの。従来のフォーカス機構に比べて構造がシンプルで小型化できるほか、焦点調整の高速化が可能だ。またレンズが液体で耐衝撃性や耐久性にも優れるため、主に携帯電話用カメラのレンズとして注目されている。
SIIでは、2008年の第3四半期までに5Mピクセル用の「Arctic314」と3Mピクセルに対応した「Arctic416」の製造ラインを稼働させる方針だ。当初の生産能力は月産50万個。順次製造能力の拡大を図るとしている。
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