寝ながらテレビ、覗き見も防止──“やっとできた、わたしのスリムワンセグ”「P705i」:開発陣に聞く「P705i」(2/2 ページ)
「ワンセグケータイ最薄」のスリムボディと柔和なデザイン、鮮やかなカラーリングを採用する「P705i」。同端末は主なターゲットとする20代から30代の女性ユーザーに向け、「ちょっと“おやじ”っぽいからイヤだ」という声から搭載するに至った機能もあるという。パナソニック モバイルのP705i開発チームに話を聞いた。
いままで“P”に足りなかったこと──改めて気がついた「必要な機能」
── そういえば、「スケジュール」機能もP905iより進化していますね。今日の予定をデスクトップ上に連動表示できたり。
山口氏 はい。携帯を時計やスケジュール帳代わりに活用するユーザーも多いですよね。
ターゲットユーザーに向けて、いままで“P”端末に足りなかったものは何か。これを改めて考え──今まで実現していなかったのも申し訳ないのですが……。スケジュール機能に「休日のカスタマイズ」と「“今日の予定”連動表示」「誕生日登録」機能を新設しました。
休日カスタマイズは平日が休みの、例えばデパートに勤める方などには確実に必要な機能です。そのほか、スケジュール帳に登録した当日の予定が待受画面に連動して表示されるようになっています。自分の誕生日を登録しておくと、この登録も連動して待受画面に示してくれます。
そのほか、メールなどの文字サイズをP905iよりもう1段階大きく設定できるようにしました。P905iは最大24ドットのサイズでしたが、P705iは30ドットまで大きく表示できるようになっています
── では、もう少し細かい話を。このスリムボディはどのようにして実現したのでしょう
小林氏 P705iは、ソフトバンクモバイル向けの「705P」で初めて採用した“ボードモールド工法”をより進化させ、薄型化と高機能を両立させたのがポイントです。
ボードモールド工法は、基板を樹脂で固めることにより薄型化とともに強度も高めるものです。基板はメインディスプレイの裏に配置しています。
電気設計担当の島田氏(以下、島田氏) ワンセグのアンテナは、ボディ全体でまかなわれます。筐体内の金属部品で拾った電波を独自技術で拡張する仕組みです。感度はホイップアンテナを伸ばしたP905iとほぼ同じレベルまでチューニングしています。そのため、P705iとP905iとで一緒に番組を見ると、ほぼ同じように受信できるようになっていると思います。
── サニーピンク、プレミアムダーク、デイライトブルー、モーニングホワイトのカラーラインアップはどのようにして決まったのでしょう。ピンクやブルーなど、ほんわか淡い色が特徴的ですね。
小林氏 カラーの決定は女性スタッフも含めてかなり議論しました。デザインセクションのカラーアドバイザーとともに、この4色に煮詰めていきました。
そのうち、メインカラーはモーニングホワイトに据えています
明氏 ブルー系とダーク系は特にいろいろな色調を検証しました。特にダーク系は、含める色によって見た目ががらっと変わります。プレミアムダークは唯一マット仕上げですが、真っ黒ではありません。微妙に紫を含め、光の当たる角度によって色が変化するようになっています。さまざまな角度から検証した“見た目”にこだわりました。
小林氏 また、ベースとする材質が変わると、同じ調合色であるにも関わらず見た目が変化してしまうのです。
ボディのベースは薄型化するため、従来の機種よりやや強化した素材を採用しています。それゆえ、従来の塗装方法だとカーボンなどが表面に浮いてきてしまうことに気がつきました。それを隠すとともに、デザインチームが意図した色味にしなければならないという、意外に困難な作業が続きましたね。
明氏 サブディスプレイ部に配置するクリアパネルも、実はボディカラーに合わせてほんのりと色が付いています。携帯ショップなどで、この微妙な色の違いを見比べてほしいです。
── 最近、携帯の購入方法が大きく変わり、同一機種をやや長めに使うことになる人が少し増えそうだという話もあります。例えば、塗装を厚くして“塗装のはげ”などに対する経年劣化対策などは行っているのでしょうか。
小林氏 そもそも、耐性の高いものを用いていますので、塗装工程自体は特別に変えてはいません。
ただ、塗料の色とベースの樹脂素材の色を極力近いものを採用するとともに、とがった部分など塗装がはがれやすい部分は塗装しない別の部品を設けるなど、目立たなく見せる工夫はしています。
── では最後に「これがほしい」という声があったものの、残念ながら載せられなかった。これは今後の機種で──。というような機能はありましたか。
小林氏 P705iはデザインやライフスタイルにこだわりたい人に対し、「このデザインの中に、望む機能はほぼ全部入っている」と思ってもらえる端末に仕上がったと思います。
あえて挙げるなら「光り」でしょうか。かつて発売した「P701iD」(2005年10月発売)や「P702iD」(2006年8月発売)を愛用してくださった方がそろそろ機種変更しようと思った時に、これら機種に備えた光りのイルミネーション機能「ヒカリドロップス」の印象が強いのは確かかもしれません。
もちろん、ヒカリドロップスやカスタムジャケットといった“P”ならではの特徴も大切にしたいと思っています。
季節や時間帯でランダムに変化する「デイライトブルー」用待受画面
デイライトブルーの氷をイメージにした標準テーマは、端末を開くたびに図柄がランダムに変化するようになっている。
ほぼ全員、女性スタッフが担当したというP705iの内蔵コンテンツ。たまに、ドイツのフィギュアメーカー「プライザー」のフィギュアが登場するという隠れた仕掛けを盛り込んでいる。このあたりはauの「W51P」で展開したコンテンツに通じる取り組みといえそうだ。
ちなみに夏になると、黄色い帽子を被り、ビキニパンツを履いた“イケてるお兄さん”も登場するという。「購入してくれた人は、夏になるまでお楽しみに」とのこと。
このテーマは全カラーすべてにプリセットされる。ほかの色を購入してもデイライトブルーのテーマに設定できるのでご安心を。
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