“Cyber-shotを使っている”ような楽しい気分になる──Cyber-shotケータイ「SO905iCS」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(6/6 ページ)
500万画素CMOSや光学3倍ズーム、顔認識AF「顔キメLite」や笑顔認識シャッター「スマイルシャッター」を搭載する、ソニー・エリクソン製の“Cyber-shotケータイ”「SO905iCS」。では、どれだけ“Cyber-shot”しているのか。作例や使い勝手とともに、その実力を見ていこう。
最後に、SO905iCSならではのおもしろい機能も紹介しよう。
まずは「ミニフォト複製」機能。microSDに写真を記録する場合、自動的にその縮小コピー(VGAサイズ)を内蔵メモリにも記録してくれるものだ。
この機能は、なんといっても携帯のディスプレイのみで写真を見る場合に表示が快適ですごく便利。写真は今後のために保存用として大きいサイズで撮るが、携帯上で再生する時はそれほど大きい写真は必要ない。つまり、microSDはPC保存用かプリント用、内蔵メモリはケータイだけで活用する場合用と使い分けられる。またメールに添付したりブログにアップする時に作業時間を短縮できるといった効果も考えられるだろう。
難点は、この機能を有効にすると撮影後の記録時間がすごく長くなること。縮小処理に時間が余計にかかるためだ。5M/ファインの写真保存時間はミニフォト作成機能無効時で3秒、有効にすると約6秒ほどとなる。この機能は非常に便利なので、より快適に使えるような何らかの工夫・改善を望みたい。
再生機能も使い勝手がよい。独立した[再生]キーを押すと写真のサムネイルが表示され、そこから好きな写真を選んで表示できる。カーソルを動かすとその写真だけちょっと大きくなる演出もいい。もう1度[再生」キーを押すと撮影モードに戻る。ここもCyber-shotらしい。
再生メニューには「ブログ投稿」という項目がある。これも新しい機能だ。撮った写真を添付したメールをブログの登録情報に従って送るだけで容易にアップできる仕組みのもの。mixiなどのSNSやYouTubeへの投稿に標準で対応するほか、自分で基本情報を登録しておけば、ほかのブログでも利用できる。
そのほか、着うたをBGMに使った「音フォト」(BGM付きスライドショー)や、撮影した写真をランダムに表示していくFlash待受などの機能も備える。
「写真とコミュニケーション」をきちんと考えたケータイカメラ
最初、「Cyber-shot」というだけに“カメラくささ”だけを前面に出した、いかにもカメラっぽい端末かなと思っていた。
スペックは確かに、カメラっぽい機能とカメラっぽいデザイン、そしてカメラっぽい撮り方ができるケータイだ。しかし、ケータイならではの特性を生かした「写真を使ったコミュニケーション」もかなり深く考えた作りになってることに驚かされた。今回、一番感心したのはその点だ(それも、オトナ向けの実用に耐えるものであるのがいい)。
常に本体内蔵メモリに画像を残しておく「ミニフォト」、その場でブログやSNSに写真をアップできる「ブログ投稿」、スマイルシャッター(コミュニケーション能力に優れたケータイであれば、より楽しめるだろう)、ハデハデな自分撮りが楽しめる女子向けの「デコフォト」。そういったツールが優れたカメラ機能とうまく絡んでいる。そのほか、個人的にはパノラマとBestPicが気に入った。特にパノラマはかなり“遊べる”。
ただ、手放しで完璧かというと、もちろんそうではない。確かに「ケータイとしては最高クラスのカメラスペック」を持ち、「“SO905iCSならでは”の個性的でおもしろい写真関連機能」も備えるが、実際に使ってみると、一般的なデジカメとケータイカメラを比べた時に感じる“イライラさせる点”もまた持っているからだ。
最も残念なのが、全体的に動きがもっさりしている(端的にいえば「重い」)こと。「本体内蔵メモリにVGA写真だけを撮る」というくらいの使い方であればそれほど“もっさり”とは感じないが、microSDに5Mの写真を撮るとなると、起動も保存も“待たされる感”が生じることは否めず、設定項目など、それ以外の動作ももっとキビキビと動いてほしい。
もちろん、ケータイカメラの中ではそれほど遅くはない。しかし、これだけ“Cyber-shot”しているならば、どうしても普通のデジカメのリズムで動作してくれることを期待してしまう。今のデジカメはそれこそ待ち時間なしでサクサク撮れるし、1秒経たずに起動するから。それだけ、今後に期待できるという気持ちの表れでもあるのだが。
バックナンバー
- 現状“最強携帯カメラ”なのか、PHOTOSの実力を見る──「PHOTOS 920SC」
- カメラ機能をまとめてチェック──「905iシリーズ」:室内・動画撮影編
- カメラ機能をまとめてチェック──「905iシリーズ」:人物作例編
- カメラ機能をまとめてチェック──「905iシリーズ」:屋外作例編
- カメラ機能をまとめてチェック──「905iシリーズ」:使い勝手と撮影機能編
- “ケータイ最強”のカメラはデジカメを超えた?──「910SH」
- ケータイカメラは、どこまで“EXILIM”の画質に迫るか──「EXILIMケータイ W53CA」
- 有機ELと197万画素AF搭載、初代と比べて“写り”はどうよ──「INFOBAR 2」
- 704iシリーズのカメラでは最強仕様、しかし……発色は少々期待はずれかな──「P704i」
- 少々腑に落ちない部分はあるが……かなり“カメラ”っぽくなった──「Advanced/W-ZERO3[es]」
- ぱぱっとすすっと、カメラで“遊べる”防水ケータイ──「W53SA」
- そのほか
関連キーワード
Cyber-shot | Cyber-shotケータイ SO905iCS | デジタルカメラ | マクロ | ケータイカメラ | 顔検出AF | 手ブレ補正 | CMOS | LED | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | 猫 | 子供
関連記事
- 「SO905iCS」関連記事一覧
- 写真で解説する「Cyber-shotケータイ SO905iCS」
ソニーのデジタルカメラ“Cyber-shot”ブランドを冠した、ソニー・エリクソン製の「SO905iCS」。スライド式レンズカバーを装備した外観のみならず、その中身もまさにデジカメ。携帯として最高クラスのカメラ機能に加え、携帯ならではの撮った写真を楽しむ機能も充実する。 - 「Cyber-Shotケータイ SO905iCS」発売、バリューコースは一括5万円台半ば/月々2100円から
NTTドコモのソニー・エリクソン製デジカメ端末「Cyber-Shotケータイ S905iCS」が発売となった。新規価格は、バリューコース一括支払いで5万3550円、24回分割なら頭金3150円、月々2100円からだった。 - “Cyber-shotケータイ”登場、光学3倍ズーム/510万画素/顔検出AFを搭載──「SO905iCS」
“Cyber-shotケータイ”が国内でもようやく登場。ソニー・エリクソン製の「SO905iCS」は、510万画素CMOSに光学3倍リニアズーム、顔検出AF、手ブレ補正、高輝度LEDフラッシュ、SNS/Blog投稿機能など、携帯最強クラスのカメラ機能を備えて登場する。 - “VIERA”に“Cyber-shot”、フルワイドVGAにワンセグ、HSDPAを標準装備──ドコモが905iシリーズ10機種を発表
NTTドコモが2007年冬モデル「905i」シリーズ10機種を発表。フルワイドVGAにワンセグ、HSDPAを標準で装備する905iシリーズに加え、“Cyber-Shotケータイ”や“VIERAケータイ”などの企画端末が登場した。 - 写真で解説する“Cyber-Shotケータイ”「W61S」(2008年au春モデル)
“Cyber-Shotケータイ”「W61S」は、ドコモ向け「SO905iCS」と同じ5メガCMOS+光学3倍ズーム+顔認識AF+スマイルシャッターというハイスペックカメラに加え、さらにワンセグとBluetoothを搭載したハイエンドモデルだ。 - 連載:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ バックナンバー
- 連載:今日から始めるデジカメ撮影術 バックナンバー
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.