iPhone 3Gと、増えてきたBluetoothケータイ──Bluetoothはようやく日本で普及するのか(2/2 ページ)
2004年に施行された改正道交法によるハンズフリーブームには間に合わず、現在も日本では欧米より普及していないとされるBluetooth製品。しかし「ようやく日本でも普及する」兆しが見えてきた。日本のBluetooth製品市場の現状と展望を、黎明期からBluetooth製品を精力的に発売する日本プラントロニクスの村田浩志社長に聞いた。
── Bluetooth搭載端末が日本でもかなり増えました。“機会”もこれで増えるということでしょうか。
村田氏 携帯電話に限らず、BluetoothヘッドセットはBluetooth対応機器あってこその製品です。ただ、特に普及率や販売数が圧倒的に多い携帯電話端末への採用例が増えると、それに応じてヘッドセットやオーディオデバイスはもちろん、キーボードやマウスなどのBluetoothの周辺機器も盛り上がってくることでしょう。それらの相乗効果でさらに“機会”も増えてきます。
また、7月11日に発売するiPhone 3Gも1つのトリガーになると期待しています。iPhone 3Gの優れたデザインとともに、ワイヤレスでスマートに通話したいと思うユーザーも増えてくれるとよいと思います。
今回新たに、iPhone 3Gと同日に発売する「Discovery 925」は、5月に米国で先に発売しました。(米国におけるiPhoneの通信キャリアである)AT&TのキャリアショップやApple Storeでも販売していますが、Discovery 925をiPhoneと一緒に購入していくといううれしい例もかなりあると聞いています。
北米におけるBluetooth搭載携帯電話の普及率は2008年現在でも6割弱、2011年には8割に達するほど当たり前の機能になっていると予想されます。プラントロニクス製品の日本市場出荷台数は2006年度に2万台、2007年度に4万台を出荷し、年々2万台ずつ増えています。
── このDiscovery 925は、いままでの製品と何が違うのでしょうか。
村田氏 Discovery 925は、今までつや消しブラックやシルバー基調で、どちらかというとビジネスユーザーや男性ユーザー向けだったイメージを覆すデザインとカラーリングを採用し、“Bluetoothは難しそう”と思わせてしまう要因の1つだった初期ペアリング作業が容易に行える工夫も設けました。
デザインとともに機能性も重視しています。重量8グラムの小型軽量ボディとやさしく耳にフィットするシリコンゴムのイヤーピースが優れもので、装着しても重さをほとんど感じず、違和感もかなり少ない仕様となっています。S、M、L、3種類のサイズのイヤーピースが付属します。
また、同時に2つの機器と接続でき、シームレスに切り替えて利用できるマルチポイント・テクノロジーや、携帯時も本体を充電できるバッテリー内蔵収納ケース、周囲のノイズレベルに適応した音質や音量に調整するとともに、相手へ送信する音声のノイズも軽減するAudioIQテクノロジーなども搭載します。
プラントロニクスは耳かけ式の「Voyager 510」などの製品もありますが、このスタイルはメガネをかける人だと少し使いにくい面もあります。イヤーピース型のDiscovery 925であればこういうユーザーも安心して使えます。
──どのような人がターゲットになるのでしょう。
1つはiPhone 3Gを購入されるユーザー。そして10代から20代の携帯やファッションに敏感な若者や20代から40代後半のビジネスパーソン、業務でクルマに乗る機会の多いユーザーなども想定します。
日本市場向けモデルは当初、ブラックのみとする予定でしたが、よりエレガントなゴールドとセリーズ(ピンク)も急遽追加することにしました。ゴールドとセリーズ(ピンク)カラーモデルはブラックより少し遅く(8月発売予定)、販売チャネルも少し限定する予定ですが、Discovery 925のファッション性と使いやすさを、女性ユーザーにも訴求したいと考えています。
新たにBluetoothケータイを購入した人は、ぜひこのワイヤレスハンズフリー通話の快適さも体験していただきたいですね。「一度使ったら手放せなくなる」ことが分かっていただけると思います。
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