第1回 初体験の防水・耐衝撃ケータイに迫る:「G'zOne W62CA」ロードテスト
カシオ計算機製のタフネスケータイ「G'zOne」シリーズは、防水性と耐衝撃性を兼ね備えた人気端末だ。今まで防水機能や耐衝撃構造を持つ携帯電話は一度も購入したことがなかったユーザーが、G'zOne W62CAを使うとケータイライフはどう変わるのだろうか。
携帯電話キャリア3社の2008年夏モデルには、いずれも防水端末がラインアップされた。このことからも分かるとおり、防水機能は携帯電話のトレンドになりつつある。そんな防水ケータイの先駆けと言えば、やはりカシオ計算機の「G'zOne」シリーズだろう。G'zOneシリーズは、防水機能だけでなく、高い耐衝撃性能を持つことでも知られる。
7代目G'zOneとして、2年ぶりに登場した「G'zOne W62CA」は、同シリーズならではの防水・耐衝撃性能を備えつつ、最新のau携帯電話の機能を満載し、ハイスペックな端末に仕上がっているのが特徴だ。
G'zOne W62CAを使い倒してみる
筆者はいわゆる“全部入り”な携帯電話が好きだ。おサイフケータイ(モバイルFeliCa)、GPS、オーディオプレーヤーなど、その時々で「できること」が全部詰まっている端末を使いこなすことがこの上ない楽しみであり、そうでないと満足できないのだ。
そのため、携帯電話を購入する際に、常に選択肢の筆頭に挙がるのは“全部入り”の象徴であるドコモの90xiシリーズのようなハイエンド機種だ。実際、現在はオーディオプレーヤー機能の柔軟性とAjax対応のフルブラウザが気に入ってソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO905i」をメインに利用している。セカンドケータイとして利用するau端末は、SO905iの補完を意図して全部入り端末を買い求める。現在は全部入りである上、内蔵カメラの接写性能が素晴らしいという理由で、「Cyber-shotケータイ W61S」を使っている。
こうした理由から、“旬”である防水携帯は、今まで一度も使った事がなかった。「そろそろ防水携帯も使ってみようかな」と思っていたところに、自分が大好きな全部入りであり、かつ防水機能を備え、おまけに耐衝撃性能にも優れた「G'zOne W62CA」を使ってみる機会を得たというわけだ。
第一印象は「ゴツいけれどもスマート」
個人的に、G'zOneと言えば、ものすごくゴツくて、分厚い携帯電話であるというイメージを持っていた。しかしW62CAは違った。確かに、“ゴツい”雰囲気は若干ながら残っている。しかし、今までのG'zOneから大胆にデザインを変更したせいか、それ以上に“スマート”という印象を受けた。他の携帯電話と並べて置いてみると、それがよく分かると思う。特に、G'zOneの特徴であった「サークルディスプレイ」に代わって搭載された、長方形の電子ペーパーディスプレイが、スマートさをより引き立たせている。
この電子ペーパーディスプレイは、その特性を生かし、時計、電波状態ピクト、バッテリーピクト、通話・メール着信通知を常時表示できる。特に、時刻が常時表示はできる点は、携帯電話を時計代わりに使う筆者にとっては非常にうれしいポイントだ。
W62CAのスマートさを際だたせている電子ペーパーディスプレイ。常時表示が可能なこのサブディスプレイは、時刻や音声・メール着信が常にチェックできて重宝する
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G'zOneならではの機能とトレンド機能をどちらも装備
G'zOneといえば、防水・耐衝撃だけでなく、アウトドアで役立つ機能を満載する点も特徴だ。その多数の機能の中でも魅力的なものの1つが、地磁気センサーにより方位を感知する「電子コンパス」機能だ。この機能によって、EZナビウォーク利用時には、自動的に進行方向が上になるように地図を表示してくれる。
また電子コンパスだけではなく、外気温を感知する温度センサーも内蔵しており、新規に搭載されたソフトウェア「G'zGEAR」を通して活用できる。現在居る場所の気温を測ったり、1975年・2000年当時の最高・最低気温との対比もでき、なかなか楽しめる。この夏は、「HEAT GAUGE」で自分の部屋の気温を測って“暑さ”を確認するのが日課になっていた。
G'zOneらしさをより引き立てる機能に加えて、今どきのトレンド機能も兼ね備えるのがW62CAの魅力だ。先代G'zOneは、おサイフケータイ機能やワンセグが搭載されていないなど、全部入り派としてはちょっと見逃せない物足りなさがあったが、W62CAにはその心配がない。
W62CAは、au携帯の新プラットフォーム、KCP+を採用しており、下り最大3.1Mbpsの高速通信、マルチプレイウィンドウ(マルチタスク)機能、Bluetooth 2.0などに対応している。また、EZ FeliCa、LISMO Player、ワンセグなど、今や必須といえる機能も搭載しており、名実共に全部入りといっていい端末に仕上がっている。「防水機能は魅力的だけど、スペックが今ひとつもの足りない」と思っていた人にはとてもいい選択肢になるだろう。
バイリンガル機能がある点もポイント
実は筆者にとっては、全部入りだけが端末選択時の重要ポイントではない。ユーザーインタフェースの表示言語を英語に変更出来る「バイリンガル機能」も重視している。英語表示は日本語表示と比べると何となく表記がスッキリしていてかっこいいという理由だけでなく、外国の方に端末を一時的に使ってもらうことが多く、この機能をとても重宝しているのだ。
ドコモの端末では、現行の全機種でバイリンガル機能を搭載しているが、au端末では、端末によって搭載していたり搭載していなかったりと、対応はまちまちである。ちなみにこのW62CAは、バイリンガル機能を搭載しており、プリインストールされている「EZケータイアレンジ」のデータを含めて日本語・英語表示の切り替えに対応している。
次回は、前モデルでありKCP端末のW61CAと、新たにKCP+端末となったG'zOne W62CAを比較してみたい。
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