通話品質で比較する「N706ie」「P706ie」「SH706ie」「L706ie」:「706ie」シリーズレビュー(2/2 ページ)
“見やすさ”“聞きやすさ”“使いやすさ”を追求しながら、最新端末としてのスペックやデザイン性も兼ね備えたドコモの706ieシリーズ。今回は、通話時の音声品質を改善する機能や、端末独自の機能をチェックした。
「P706ie」――充実したスペックが魅力
P706ieの魅力は、そのスペックの高さだろう。ワンセグは倍速表示の「モバイルWスピード」に対応し、6軸手ブレ補正&オートフォーカス付きの200万画素カメラを搭載する。さらに、最新サービスの動画・画像2Mバイトアップロードやデコメアニメに対応しているのは、706ieシリーズではP706ieのみだ。機能的には4機種中、最も充実しているモデルといっていいだろう。
またP706ieは、全階層で拡大文字に対応するノーマルメニュー、機能を限定したシンプルメニュー、好みの機能を登録できるプライベートメニューという3つのモードがあり、メインメニュー上でソフトキーから切り替えられる。
そのほか、N端末の「デスクトップアイコン」と同様の機能「貼り付けアイコン」も従来機種から継承した。よく使う機能のアイコンをデスクトップ上に貼り付けられ、ダイレクトに起動できる。
SH706ie――カメラ性能はピカイチ
カメラ機能の充実ぶりでは、SH706ieがシリーズ随一だ。カメラの画素数は320万画素で、オートフォーカスと6軸手ブレ/被写体ブレ補正に対応している。名刺を撮影してその文字データをアドレス帳に登録できる「名刺リーダー」や、小さい文字などを最大約10倍まで拡大してディスプレイに表示する「カメラルーペ」など、カメラを活用した便利な機能も搭載している。
ソフト面では、表示を大きくしたメニュー画面の「ズームメニュー」のほか、きせかえツールに「Large(White)」と「Large(Black)」を用意し、見やすさに配慮している。ズームメニューはいわゆるシンプルメニューで、よく使う機能を大きな文字と分かりやすい表現で表示する。
シャープ端末でおなじみのショートカットメニューも健在だ。待受画面で十字キーの上を押すとショートカットメニューが表示され、アプリや機能を素早く起動できる。また、ショートカットメニューに表示されている上段の3機能は、ダイヤルキーの[1]から[3]に割り当てられており、それぞれの長押しで起動する。
「L706ie」――4機種中唯一GSMローミングに対応ー
メインディスプレイの下に4つのワンタッチキーを搭載するのが、L706ieだ。数字キーにはアドレス帳のデータを、[My]キーには好みの機能を登録でき、ワンタッチで呼び出せる。
またL706ieは、706ieシリーズ4機種で唯一、GSMローミングに対応している。世界170の国と地域(2008年現在)で使える世界ケータイとして、海外で便利に使える世界時計や単位換算ツールを搭載する。
大きな表示のメニュー画面を利用する場合は、「シンプルメニュー」に設定する。シンプルメニューは、メニュー画面で「i/アプリ」キーをプッシュし、オン/オフを選択しればいい。シンプルメニューはよく使う機能に絞って表示するので、使いたい機能が選べない場合もある。その際は、シンプルメニュー内の「通常メニュー」を選択すると、一時的に通常のメインメニューが表示されるので、そこからシンプルメニューにない機能を設定できる。
L706ieには、N端末のデスクトップアイコンのような機能や、自分がよく使う機能だけを集められる「カスタムメニュー」が用意されている。また、待受画面で決定キーを押すと、待受画面上の時計や日付の表示から、アラーム設定、スケジュールのカレンダー画面を表示できる。スケジュールやアラームをよく使う人は覚えておくと便利だ。
一般の端末にも採用してほしい機能
今後、ユーザーが確実に年を重ねることを考えれば、706ieシリーズのような、見やすさ、聞きやすさを重視する携帯の注目度が上がっていくことは確実だ。
これまでは、らくらくホンと若いユーザーをターゲットにした端末の中間に位置する携帯がないといっていい状態だった。706ieシリーズのような“大人に使いやすい”ケータイの登場は、歓迎すべきことだ。
ただし、使いやすさは万人に必要なものだ。通話品質はどんな機種でも高めてほしいし、メニューももっと分かりやすくしてほしい。706ieシリーズで実績を積んだ機能が、ほかのシリーズでも生かされることを期待したい。
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