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“まだ子供”のiPhoneとAndroid――コンテンツ市場の成長を予測するmobidec 2008(2/2 ページ)

2008年、携帯電話市場は成長期のモデルから成熟期のモデルへとシフトし始め、コンテンツ市場にもその波が押し寄せている。こうした中、独自のコンテンツ配信プラットフォームを展開するiPhone 3GやAndroidケータイ向けの市場は、どのように発展するのか。

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Androidで“勝手ケータイ”が登場

Photo 日本Androidの会 事務局長、Cloud Market社 代表取締役社長、グロースエクスパートナーズ SIPropプロジェクト 代表の今村謙之氏

 Android端末の位置付けとコンテンツ市場の広がりについて説明したのは、10月に発足した日本Androidの会の事務局長を務める今村謙之氏だ。同氏はAndroidプラットフォームの立ち位置について、「すべてがオープンであるだけに関係者が見ているところがバラバラ」であると指摘。「Androidにおけるビジネスは単にコンテンツだけでは意味を成さない」とし、開発者やサービス提供者らを「いかに1つにまとめていくか」が重要だと強調した。

 Androidのメリットについては、ほかの携帯向けプラットフォームに比べて開発の自由度が高い点を挙げ、それが提供したいサービスに特化した“勝手ケータイ”の登場につながるだろうと予測した。

Photo いかに各のレイヤーの参加者をまとめるかが、Android市場では重要になる

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“勝手ケータイ”の楽しさを説明した図。今村氏も人の感覚や機能を拡張するというリアルとの融合を想定したコンテンツが登場する可能性を示唆した

 今村氏は「なかなか普及しにくいものだが」と前置きしつつも、「Androidを通して、すべて1つの方向に動いて、みなが自由にサービスを作れるデファクトスタンダードが生まれる」と予測。こうした世界ではサービス主導になることから、「コンテンツ開発者が引っ張っていかないと、Androidはシステムインテグレータや組み込み屋が使えるものに成長しない」と、会場に集まったコンテンツ開発者をあおった。

垂直統合と水平分業がクロスし、新たな世界が開ける

 さらに今村氏は携帯電話とPCインターネットの世界で起こりつつある変化にも触れ、モバイルインターネットの世界に新たなトレンドが起きるのではないかと予測する。

 現在の携帯電話業界は、端末と回線、サービスが分かれた水平分業を促す動きが出始めており、今村氏は「元々、インターネットは水平分業で成功し、ケータイは垂直統合で成功したが、これがクロスすることで新たな可能性が広がる」と見る。「その結果として、新たな世界の勝手ケータイが生まれるのではないか」(今村氏)

AndroidプラットフォームのID・課金管理を支援

 今村氏は講演の中で、「日本Androidの会」の活動内容を紹介。参加メンバーがさまざまな業種に渡っているいることや、交流の場としてうまく機能していること、9つのワーキンググループを定義して“交流にとどまらない”活動を展開していることをアピールした。

 ワーキンググループ(WG)は、初心者向け、SDK開発向け、マッシュアップなど多彩で、各ワーキンググループは月に1回程度のペースで活動しているそうだ。

 ビジネス展開をサポートするワーキンググループもあり、マーケットプレイスWGがビジネスの実施に向けた活動、ビジネスWGがさらにビジネスを広げるための活動をしているという。このワーキンググループの中では、Androd Marketに不足しているID・課金管理を支援しようという動きがあり、今村氏が所属するCloud Marketが課金システムを開発しているという。

Photo 日本Androidの会の構成図(左)とAndroid搭載デバイス向けのコンテンツマーケットの問題点(右)



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