“おサイフケータイ”登場、新料金プランも――ウィルコムが2009年春モデルを発表:DSやPSPユーザー向けのモバイル無線LAN APも
ウィルコムが、同社初となるおサイフケータイ「BAUM」と「WX340K」を発表。上限2800円のパケット定額を含む新料金プランやポータブルデバイス向けの無線LANアクセスポイントを発表するなど、利用シーンの拡大を目指す施策を展開する。
ウィルコムが2月下旬から、FeliCaを利用した「ウィルコム ICサービス」を開始すると発表し、対応端末の「WX340K」と「BAUM」を披露した。折りたたみ型のWX340Kは2月下旬、ストレート型のBAUMは3月下旬の発売を予定している。
サービス開始当初は「QUICPay」(ジェーシービー/トヨタファイナンス)、「Edy」(ビットワレット)のほか、全日本空輸(ANA)や日本航空インターナショナル(JAL)、ヨドバシカメラのFeliCaアプリがウィルコム ICサービスに対応。2009年春にはビックカメラのアプリ、同夏には東日本旅客鉄道のモバイルSuicaアプリを利用可能になる。
申し込めば“上限2800円”のパケット定額適用――新料金プラン発表
ウィルコムは、2月5日から提供する新料金プラン「新ウィルコム定額プラン」「新トリプルプラン」も発表。これまでオプションサービスとして別途申し込む必要があったパケット定額が自動で適用され、過度な料金の請求を心配せずに利用できるようにした。
2つの新料金プランは(1)他社携帯電話やPCを含むEメールの送受信無料(2)音声端末やスマートフォンからのサイト閲覧、PC接続によるデータ通信の上限が2800円 が共通で、他社携帯電話や一般加入電話への通話は従量制となる。両プラン向けには専用のオプションサービス「新通話パック」(月額利用料1050円)が用意され、発信先が他社携帯電話の場合は最大80分、一般加入電話の場合は最大100分の通話を利用できる。
無線LAN連携でPHSの利用シーンを拡大――「どこでもWi-Fi」発売
ウィルコムはまた、W-SIMによるPHSのデータ通信機能と無線LANアクセスポイント機能を装備した「どこでもWi-Fi」を2月19日に発売することも明らかにした。
どこでもWi-Fiは、WAN側にウィルコムのPHS網、LAN側にIEEE802.11g/bの無線LANを利用する小型のアクセスポイントで、W-SIMはアルテル製の「RX420AL」を利用するため、最大通信速度は約204kbpsとなる。
ボタン1つで簡単にセキュアな無線LAN接続が構築できる設定システム「AOSS」を搭載しており、任天堂の「ニンテンドーDS」やソニー・コンピュータエンタテインメントの「PSP」のようなポータブルゲーム機などとの接続も容易に設定できる。
製品の利用にあたっては、ウィルコムの契約とデータ定額プラン「新つなぎ放題」の加入が必要。ただし、料金プランはどこでもWi-Fi専用のものになり、ウィルコム取扱店やオンラインストアの「ウィルコムストア」などでW-VALUE SELECTを利用して新規契約する場合は頭金4800円と月額負担金(端末代+通信費)が月1980円となる(機種変更時などの価格は未定)。
既存サービスもアップデート
すでに提供されているサービスの拡充も発表された。公衆無線LANサービス「ホットスポット」(NTTコミュニケーションズ)をウィルコムユーザーが利用できるようになる「ウィルコム無線LANオプション」は、対応エリアが2009年3月から広がり、東海道新幹線(東京〜新大阪)のN700系車内や駅の待合室で利用できるようになる。
さらに、「WILLCOM 03」などウィルコムのスマートフォン向けに提供されているネットラジオ配信サービス「W+Radio」では、全国23局のコミュニティFMが放送するラジオのサイマル放送を実施。従来から配信しているラジオ局に加えて、各地に密着したコミュニティFMの番組を聞けるようになった。
機種名 | 概要 | 詳細記事 | 写真記事 |
---|---|---|---|
WX340K | FeliCaチップを搭載し、PHSで初めておサイフケータイに対応したウィルコム端末。強化ガラスを採用したメインディスプレイはワイドQVGA(240×400ピクセル)の2.7インチIPS液晶。ウィルコムガジェットやFlash Lite 3.1、赤外線通信、デコラティブメールに対応。AF付有効197万画素カメラにはフォトライトも備えた。外部メモリにはmicroSDを利用。カラーはカラーはブリリアントホワイト、カンパリレッド、ミッドナイトブラックの3色。 | 詳細記事 | − |
BAUM | WX340Kとともに初めておサイフケータイに対応したウィルコム端末。ツートーンのカラーリングや円形の十字キーなど、お菓子のバウムクーヘンをモチーフにしたシンプルなストレート端末。ディスプレイは2.4インチのワイドQVGA(240×400ピクセル)。2MピクセルのCMOSカメラを備え、外部メモリは最大2GバイトのmicroSDが利用可能。赤外線通信、デコラティブメール、Flash Lite 3.1に対応する。 | 詳細記事 | − |
関連記事
- ウィルコム初の“おサイフケータイ”「ウィルコム ICサービス」、2月下旬から開始
ウィルコムは「ウィルコム ICサービス」を2月下旬から導入する。EdyやモバイルSuica、QUICPayなどの主要サービスや、おサイフケータイ対応機同士でデータ交換ができる「ICカード通信」を利用できる。 - W-SIM無線LANルーター「どこでもWi-Fi」、2月19日発売──端末、通信料込みで月額1980円から
ウィルコムは、DSやPSP、iPod touchなどの無線LAN対応機器を接続できるW-SIM無線LANルーター「どこでもWi-Fi」を2月19日に発売。価格は新規W-VALUE SELECTの利用で頭金4800円、実質月額1980円ほどとなる予定。 - ウィルコム、上限2800円のパケット定額含む新料金プラン発表
ウィルコムが、上限2800円のパケット定額を含む新料金プランの「新ウィルコム定額プラン」「新トリプルプラン」を発表。2月5日から提供開始する。 - “バウムクーヘン”がモチーフのストレート型おサイフケータイ──「BAUM」
ウィルコムが発表したストレート型のおサイフケータイ端末「BAUM」は、お菓子のバウムクーヘンをモチーフにしたデザインを採用したおサイフケータイ。「HONEY BEE 2」に似たボディにウィルコムの最新スペックを盛り込んだ。 - “京ぽん”6代目にして待望の「おサイフケータイ」――「WX340K」
PHS端末として初めておサイフケータイに対応した京セラ製の「WX340K」。2.7インチのワイドQVGA液晶やAF付きの2Mカメラを備え、ウィルコムガジェットやFlash Lite、デコラティブメールに対応する。 - ウィルコム、FeliCa対応を発表──2008年度第4四半期に端末を発売
ウィルコムとフェリカネットワークスは5月26日、ウィルコムのPHSにFeliCaチップを搭載し、モバイルFeliCaサービスを提供することで合意した。2008年度第4四半期までにFeliCa対応PHSを発売し、ゆくゆくは全機種標準搭載を目指す。 - W-SIMを使った“無線LANルーター”「どこでもWi-Fi」、2009年春に発売
ウィルコム、バッファローと三洋電機は10月9日、携帯可能でバッテリー駆動に対応したコンパクトサイズの無線LANアクセスポイント「どこでもWi-Fi」を2009年春に発売すると発表した。W-SIMでPHS網からインターネットに接続する。 - 東京ゲームショウ2008:写真で見る「どこでもWi-Fi」
ウィルコム、バッファロー、三洋電機が発表したW-SIM付き無線LANアクセスポイント「どこでもWi-Fi」。ポータブルゲーム機ユーザーをターゲットに、カジュアルなネット接続環境を提供する。 - ウィルコムとコミュニティFM団体、スマートフォン向けにサイマル放送を開始
ウィルコムとコミュニティ・サイマルラジオ・アライアンスは、「WILLCOM 03」などウィルコムのスマートフォン向けに、コミュニティFMをサイマル放送するサービスを開始した。ネットラジオサービスの「W+Radio」から利用する。 - 「ウィルコム無線LANオプション」エリア拡充──3月からN700系新幹線車内などで利用可能に
“ホットスポット”を利用する「ウィルコム無線LANオプション」が2009年3月にサービスエリア拡充。東海道新幹線の車内や駅で利用できるようになる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.