新生「Yahoo! JAPAN」アプリが目指した、快適な“スタートポイント”(2/2 ページ)
ユーザーが使いやすいスマートフォンアプリの形とはどんなものか――。ヤフーの「Yahoo! JAPAN」アプリは、少ない画面遷移で多くの情報を見せるというコンセプトの下に開発されたアプリだ。担当者にその狙いを聞いた。
実は、タブを押して表示するカテゴリーを切り替えるUIは、向きこそ違うが、PC向けのYahoo! JAPANのトップページが採用しているおなじみのUIである。PC向けのYahoo! JAPANでは、画面中央の上部にタブがあり、適宜切り替えられるようになっている。そしてユーザーが興味を持ち閲覧していたタブを優先的に表示するのも同じだ。
「タブでぽちぽち切り替えるUIとユーザー体験を採用し、それがあまり重くならないように配慮しました。“重くならない”というのは、見た目の印象のことです。サイト全体を縦スクロールでサクサク閲覧できるようにしているので、上部に大きなタブがあると重量感が出てしまいます。試しに配置してみたのですが、9つのタブを読みやすいように配置しようと思ったら、画面の4分の1くらいがタブになってしまいました。これではダメだと思い、縦に並べる形に決めました」(会田氏)
会田氏はまた、トピックスの上にある「メール」「カカオ」「天気」「占い」「番組表」表示部分の使いやすさにもこだわった。ここは、ニュースなどと同じく最新の情報が見やすく表示されることが大切だが、占いなどは、「パーソナルな部分」でもあるため、目立ちすぎてもよくない。そのあたりのさじ加減には気を配りつつ、ベストな配置を探って、ぱっと見ただけで“今”の情報が把握できる画面を作っている。「天気予報を表示する地域や占いのための生年月日はぜひ最初に入力して使っていただきたいですね。設定画面を開かなくても、天気の部分に触れていただければすぐに地域の指定ができます」と会田氏は笑った。
TwitterなどSNSで話題のキーワードをピックアップする「話題なう」も、この“今”を知るのに便利なツールとして新たにアプリに実装した。「話題なうは、世界で起きていることを即座に捉えられるのが特長です」と岡氏が話すとおり、その時々で話題になっている旬な言葉がすぐに注目キーワードに上がってくる。
最新のトピックスと天気やメール、占い、そして話題なうと、速報性の高いコンテンツを見やすく配置したYahoo! JAPANアプリでは、ほんの少し指を動かすだけで「今」がよく分かるように作られている。iOS版のYahoo! JAPANアプリでは、プッシュ通知機能も備えており、地震や災害の警告を適宜表示。あらかじめ設定しておけば、号外ニュースや注目ニュースなども届く。これも今を知るには便利な機能として用意した。
ユーザーがスマートフォンを利用する際の起点に
Yahoo! JAPANが毎年発表している「検索クエリーランキング」では、常に上位に「YouTube」や「Facebook」といった有名サイトが上がってくるという。これは何を意味するかというと、特定のサービスを利用する際に、わざわざYahoo! JAPANを開いて、そこから有名サイトにアクセスするユーザーが、相当数いるということ。
「ユーザーは一度覚えた体験を繰り返す傾向があります。ですから、おそらく初めてYouTubeやFacebookを探したときと同じように、その後もわざわざYahoo! JAPANでYouTube、Facebookを検索してページに行くのでしょう。Yahoo! JAPANは自分たち(ヤフー)のサービスの総合的な入り口としてだけでなく、多くの人にとって、Yahoo! JAPAN以外のサイトやサービスへの起点にもなっていることを改めて認識しました。ですからアプリでも、自分たちが提供するサービス以外の部分も含め、ユーザーさんの課題解決のお手伝いができるのではないかと考えています」(岡氏)
国内のスマートフォン利用者のうち、約78%が、PCだけでなくスマートフォンでもYahoo! JAPANのサービスを利用しているという。しかし、「“スマートフォン大陸への移住”は、まだ始まったばかり」だと岡氏。これからもスマートフォンユーザーは増え続けると見る。だからこそ、使い慣れないスマートフォンの操作で苦労しても、まずYahoo! JAPANアプリを立ち上げることで、いつもの使い慣れた検索機能やサービスが簡単に利用できる――。そんな環境を目指している。
使えば使うほど良さが実感できるアプリ
スマートフォンの入り口として、検索や各種サービスへのショートカット、ニュース記事など、便利な情報と使いやすいUIで構成されたYahoo! JAPANアプリだが、その良さは、どちらかというと使えば使うほどよくなる、便利になる類のもの。そのため、「じっくり使っていただかないとその良さは分かりにくいかもしれません」と岡氏は控えめだ。しかし、長く付き合ってみると「実はいい人」であることがよく分かるという。例えば「よく使う」タブ。ここには、ユーザーがよく使う機能やよく見るページが集約されるため、使い込むほどに便利になっていく。
増え続けるスマートフォン向けのサービスやアプリの入り口として、ユーザーを最適な方向へナビゲートする役割を担うYahoo! JAPANアプリ。そこにはYahoo! JAPANユーザーだけでなく、幅広いスマートフォンユーザーに、いつでも頼りになる便利な“はじめの一歩”を提供したいという強い思いが込められている。
関連記事
- Yahoo! JAPANアプリがリニューアル より見やすく、操作性を改善
ヤフーがiOSとAndroid向けに提供している専用アプリ「Yahoo! JAPAN」のメジャーバージョンアップ版をリリースした。ユーザーインタフェースを刷新し、スマートフォンからのネット利用をより快適にする仕組みを用意した。 - ヤフーの「防災速報」アプリ、位置情報を使った通知に対応
ヤフーのスマートフォン向けアプリ「防災速報」に、ユーザーが今いる現在地の災害情報を自動通知する機能が追加された。 - ヤフー、最速情報アプリ「話題なう」のiOS版をリリース――Android版から機能を強化
Twitterをはじめ、ソーシャルサービス上で話題のキーワードをランキング表示するアプリ「話題なう」のiOS版が登場。すでにリリースしているAndroid版から機能を追加/強化している。 - Androidスマートフォン向けに「Yahoo! JAPAN」アプリと「Yahoo! ホーム」を提供
ヤフーが10月3日、Androidスマートフォンで利用できる専用アプリ「Yahoo! JAPAN」と、ホーム画面をYahoo! JAPAN仕様にできる「Yahoo! ホーム」の配信を開始した。「Yahoo! Phone 009SH Y」とほぼ同様の使い勝手が他のAndroidスマートフォンでも実現する。 - iPhone版「Yahoo! JAPAN」公式アプリが大幅リニューアル
iPhone版「Yahoo! JAPAN」公式アプリが新しいデザインと新機能追加で大幅にリニューアル。検索機能を拡充したほか、自分仕様にカスタマイズする機能も用意した。 - Yahoo! JAPAN、「2012検索ワードランキング」を発表
総合ランキングはいつものメンツでした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.