「DIGNO DUAL」をAndroid 4.1にバージョンアップ 操作感はどう変わる?:アップデートしてみた(1/2 ページ)
ウィルコムのPHS対応スマホ「DIGNO DUAL」(京セラ製)にOSをAndroid 4.1にするメジャーアップデートが提供された。バージョンアップでどんな変化があるのか検証した。
京セラは11日、ウィルコム向けAndroidスマートフォン「DIGNO DUAL WX04K」のOSメジャーアップデートを開始した。アップデートを適用することで、搭載OSのバージョンがAndroid 2.3.4(以下、2.3)から4.1.1(以下、4.1)となり、顔認識によるフェイスアンロック機能の追加やユーザーインタフェース(UI)の大幅な変更、さらに数多くの機能の追加変更が加えられる。
OSアップデートの主な内容は以下の通り。こちらの記事も参照して欲しい。
アップデートの主な内容
- 設定メニューの構成変更
- ロック画面の変更
- フェイスアンロック機能の追加
- 通知パネルの変更
- ホーム画面の変更
- アプリ一覧画面の変更
- シンプルメニューの追加
- 電話番号発信画面の変更
- 電話帳の変更
- 省電力ナビの変更
- ファイル管理の変更
- すぐ文字の変更
- メモ帳の変更
- ブラウザの変更
- 最近使用したアプリケーションの履歴表示の変更
Android 2.3から4.0へのアップデートは珍しくないが、いきなり4.1にバージョンアップするのは珍しい。OSがAndroid 4.1になったことで、DIGNO DUALの使い勝手や操作性、また性能はどのように変化するのだろうか。ホームUIやブラウザの使用感、ベンチマークテスト、通信速度テストなどを通して検証してみた。
操作全般でサクサク感が向上
まずはUIの使用感について。Android 4.xシリーズではホームキーや戻るキー、メニューキーなどが基本的にソフトウェアキーとなっている機種が多いが、DIGNO DUALの場合はAndroid 2.x世代の端末として開発された経緯もあり、各種キーは物理キーとなっている。そのため画面内にソフトウェアキーを配置する必要がなく、より画面を広く使えるのはメリットだ。特にDIGNO DUALの画面領域は480×800ピクセルとHD以下のために、ディスプレイ領域が狭くならない意味は大きい。
さて、Android 4.1にしたDIGNO DUALのロック画面を見てみると、「カメラ」と「すぐ文字」を直接起動できるようになったことが分かる。これまでは(Android 2.3では)、マナーモードへの切り替えとすぐ文字という組み合わせだった。
ロック画面からワンアクションでマナーモードに変更できるのも便利だっただけに、このキーが削除されたことを残念に思う人もいるだろう。ただDIGNO DUALは電源ボタンの長押しでマナーモードや機内モードに変更することができるため、大きく使い勝手が損なわれたという印象は無い。
むしろ、とっさにカメラを起動したい時にロック画面からアクセスできるようになったことは大きな利点だと感じる。
ホーム画面の使用感でまず感じるのは、全体的に動作が軽くスムーズになったことだ。これまで、ホーム画面のページ切り替えなどの操作で感じていたカクつきがまったく無くなり、非常に滑らかに動くようになった。ホーム画面やアプリ一覧画面などは頻繁に使用する場所であるだけに、動作が目に見えて軽くなったことはOSアップデートの恩恵を強く感じるところだ。
アプリでは、UIのデザイン以外はあまり変化を感じなかったが、一際大きく違いを感じたのは標準ブラウザの使い勝手である。明らかにAndroid 4.1では読み込みも早く動作が軽くなっており、拡大縮小や画面の移動が非常にスムーズになっている。
本機は現在のスマートフォンの中ではローエンドに近いスペックであり、動作速度や処理能力に関しても決して十分な性能とは言えないながらも、非常にバランスの良いチューンナップによって比較的快適なブラウジング環境を提供していたが、今回のOSアップデートによってその快適さはさらにアップしたと言える。
ホームUIやブラウザの動作については以下の動画を参考にして頂きたい。なお、動画のフレームレートは仕様上30fpsに制限されているため、Android 4.1の滑らかさが十分に再現されていない。実際にはさらにスムーズで滑らかに動くことを補足しておきたい。
ベンチマークテストと通信速度の計測値も改善
OSアップデートによって非常に動作が軽快になった本機であるが、性能面では変化があっただろうか。定番のベンチマークソフト「安兎兎ベンチマーク v3.3」と「Quadrant Standard」の2つでその性能を評価してみた。
まずは安兎兎ベンチマークの結果から。Android 2.3での総合評点は5467ポイントで、Android 4.1での総合評点は8012ポイントと大差が付いた。OSの違いでここまで差が出たことに驚いているが、それだけAndroid OSのブラッシュアップ、最適化が進んだということだろう。
ベンチマーク結果の各項目を詳しく調べてみると、RAMパフォーマンスからCPUの整数性能、CPUの浮動小数点演算性能、3D描画性能など、多くの点で大幅なスコアの改善が見られた(SDカードアクセスの数値はストレージの仕様に依存するためここでは割愛する)。ホームUIやブラウザの画面切り替え処理が高速化した背景には、マシンパフォーマンスの向上も関係しているのだろう。
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