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LTEは下り最大375Mbpsまで高速化、国内最速の370Mbps対応ルーターも登場5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(1/2 ページ)

ドコモとauが3波CAで下り最大370〜375MbpsのLTEを開始。ドコモからは国内最速となるモバイルWi-Fiルーターが登場した。

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進化するLTE ドコモは下り最大375Mbps、KDDIは下り最大370Mbpsに高速化

 NTTドコモとKDDI(au)は、サムスン電子製の「Galaxy S7 edge」とソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia X Performance」をそれぞれ発表した。このうちGalaxy S7 edgeはドコモとauの双方から、5月19日に販売が開始となった。

 国内版のGalaxy S7 edgeは2機種とも3波CA(キャリアアグリゲーション)に対応しており、その下り最大速度はドコモが375Mbps、auが370Mbps。理論値での通信速度には若干の差があるが、従来のスマートフォンと比べてより高速なデータ通信が行えるようになる点は同じだ。

さらに高速化したPREMIUM 4G
ドコモの「PREMIUM 4G」は3波CA対応で通信速度を下り最大375Mbpsへ高速化

 ドコモの2016年夏モデル新サービス・新機種発表会では、Xperia X Performance SO-04Hを使った実機デモで通信速度が300Mbpsを超えるなど、CA非対応機種(下り最大150Mbps対応機種)と比べて、実測値で約3.5倍の速度を記録していた。

さらに高速化したPREMIUM 4G
下り最大150Mbps対応機種(左)と下り最大375Mbps対応機種(右)
さらに高速化したPREMIUM 4G
実測値で下り最大300Mbps越えも記録

 ただし、ドコモの下り最大375Mbps対応サービスが利用できるのはいくつかの条件がそろった場合だ。まず、3波CAで使っている周波数帯の1つが東名阪限定で提供されている1.8GHz帯(Band 3)なため、エリアが東名阪の3大都市圏に限られる。

 さらに、同じく3波CAで束ねる800MHz帯(Band 19)が全てLTE向けに使われている必要がある。800MHz帯はFOMA(3G)でも引き続き使用中なため、都市部の中心部を除けば、この帯域を丸ごとLTEで使うのは難しい。実際に利用可能なエリアが限定される点には注意したい。

さらに高速化したPREMIUM 4G
ドコモが公開した下り最大375Mbps対応エリア。2016年5月19日時点では極めて限定されたエリアのみ対応する

 それでも、3波CA対応の両機種は全国エリアで利用可能な1.5GHz帯(Band 21)を用いた下り最大337.5Mbpsにも対応しているため、基本的には従来機種と比べてより快適なデータ通信が行えるようになるのは間違いないだろう。

さらに高速化したPREMIUM 4G
3波CAにより全国エリアで下り最大337.5Mbpsに対応

ドコモの新ルーターは国内最速、下り最大370Mbpsに対応

 ドコモは、2016年夏モデルとしてモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION HW-01H」を発表した。6月下旬に発売する予定だ。最大の特長は、ドコモが新しく運用を開始する周波数帯である3.5GHz帯(Band 42)をサポートし、モバイルWi-Fiルーターとしては国内最速となる下り最大370Mbpsの高速通信に対応している点だ。

 新周波数帯である3.5GHz帯は、HW-01Hの発売に合わせて6月下旬よりサービスを開始予定。なお、HW-01Hの下り最大370Mbpsは東名阪エリアでの通信速度であり、その他エリアでの通信速度は下り最大332.5Mbpsとなる。

「Wi-Fi STATION HW-01H」
下り最大370Mbps対応の「Wi-Fi STATION HW-01H」

 HW-01Hは、理論値の通信速度こそGalaxy S7 edgeやXperia X Performanceが対応する下り最大375Mbpsに若干劣るものの、実行速度の面ではHW-01Hにも大いに期待ができる。その理由は、新周波数帯である3.5GHz帯に対応する機種が、ドコモの2016年夏モデルでは同ルーターのみになっているため、短期間のうちに新周波数帯の通信が混雑すると考えにくいためだ。

 HW-01Hの下り最大370Mbpsは、東名阪エリア向けFDD-LTEの1.8GHz帯(20MHz幅)と、TDD-LTEの新周波数帯3.5GHz帯(20MHz幅×2)を束ねることで実現される。この組み合わせは、2.1GHz帯(20MHz幅)とWiMAX 2+の2.5GHz帯(20MHz幅×2)を束ねるauの下り最大370Mbps対応サービスと理論値上は同じスピードだ。

「Wi-Fi STATION HW-01H」
新周波数帯である3.5GHz帯はしばらくの間HW-01Hが独占

 もちろん、ドコモの3.5GHz帯に対応するスマートフォンが今後投入されることを前提に考えれば、同周波数帯がいつまでも混雑しない保証はないが、少なくとも次期モデルが市場投入されるまでの間は、HW-01Hを使って快適なデータ通信が行えることは期待できるだろう。

 高速化した通信速度以外の特長は、バッテリー容量が4750mAhと大容量になり、容量の大きさを生かしたモバイルチャージャー機能をサポートした点。そして連続通信時間がLTE接続時で20時間(キャリアアグリゲーション有効時は18時間)に伸びている点などのが挙げられる。

 従来のドコモ向けHuawei製ルーターがどちらかと言えば「コンパクトかつ軽量」である一方で、連続通信時間の面ではやや物足りなかったことを考えると、連続通信時間が伸びている点は歓迎したい。ただし、大容量のバッテリーを搭載したことのトレードオフとして、本体サイズが大型化、重さが173グラムまで重くなってしまっている。

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