「ポケットモンスター」シリーズのスマートフォンゲーム「Pokemon GO」が米国を中心に人気だ。日本でのローンチも間もなくと言われているが、世界ではすでにさまざまなトラブルも報告されている。
日本でも人気のあるシリーズだけに、多くのユーザーがプレイすることが予想される。Pokemon GOの開発・提供元である米ナイアンティックは、同じく位置情報ゲームIngressも手がけている。Pokemon GOを始める前に、Ingressの熟練プレイヤーたちのアドバイスにいま一度耳を傾けてみたい。
(※この記事は、「Ingress座談会(後編)」を再構成したものです)
→・Ingress経験者に学ぶ「Pokemon GO」の危険性
→・「ゲームのために私有地へ侵入」 Ingressで予測する「Pokemon GO」のトラブル
あくまでゲーム、プレイスタイルの違いを認め合う
Ingressを巡るトラブルは、異性への興味、ゲームに対するモチベーションの違い、地域差などが原因であることが多かった。そんなとき、ベテランプレイヤーたちは、「それぞれのプレイスタイルが違うことを認め合う」ことを強調した。自分とは違う遊び方をする人を認める寛容さが失われると、途端にもめ事の種となってしまうからだ。また、プレイヤー間でトラブルを解決することも大切だが、公式の相談窓口を強化するなど運営側のサポートを期待する声も挙がっていた。
Ingressユーザーが感じた「Pokemon GO」への懸念
Ingressユーザーたちは、「どんなゲームでも、新しい層が入ってくると変なローカルルールができる」ことを懸念していた。座談会で「Pokemon GO」について話し合ったとき(2016年2月1日掲載)は、若者の出会いの温床になってしまったり、目立とうとしてむちゃな遊び方をするプレイヤーが出てきたりするのではないかという声が挙がった。Ingressでは複数アカウントを持つことが禁止されているが、それを悪気なくネットで自慢するユーザーが現れたときは誰もが反応に困ったという。
さまざまな問題はあるものの、それでも多くのプレイヤーを引きつけるIngressの魅力について、2016年2月1日時点でプレイ歴2年以上の化石さんはこう語っていた。
IngressはARG(代替現実ゲーム)という日本ではあまりなじみのない新しいジャンルのゲームです。現実と仮想が巧みに入り交じっている点を理解しないと、知らない間に境界線が分からなくなります。
スキャナーの攻撃通知に表示される名前は実在する誰かです。あなたが立っている場所は私有地で、公共の場ではないかもしれません。気付かないうちに法律を犯していないか、ということを思い出してほしいです。
Ingressは自分から働きかけないと何も変わらないゲーム。連携したければ声を挙げて仲間を集めればいいし、助けがほしいときは「助けて!」とチャットで叫ぶといいです。あなたの呼びかけに応えてくれるメンバーはたくさんいるはず。それがIngressの醍醐味(だいごみ)ではないでしょうか。
仮想と現実が入り交じるゲームだからこそ、プレイヤーはその境目に自覚的であることが求められる。Pokemon GOを始めるにあたり、Ingress経験者から学べることは多そうだ。
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