カメラが飛び出すXiaomiの「Mi 9T」は格安モデルの兄弟機:山根康宏の海外モバイル探訪記
Xiaomiからポップアップ式カメラを搭載した「Mi 9T」が、台湾や香港などで発売されました。Mi 9Tの最大の売りはそのポップアップ式カメラ。台湾のショップでもデモムービーではしきりにカメラの動きをアピールしていました。
Xiaomiからポップアップ式カメラを搭載した「Mi 9T」が、台湾や香港などで発売されました。インカメラを本体に収納するアイデアは今となっては珍しいものではなくなっていますが、Xiaomiがこのタイプのモデルを出したのは実は最近のこと。Xiaomiのインカメラ収納アイデアは他社とは違うギミックを採用したかったのか、本体スライド式のモデルが出ています。
Mi 9Tは「Mi」の名前から分かるように、Xiaomiのメインラインのモデルです。しかしこのMi 9Tは、全く同じモデルがサブラインのRedMiブランドから「RedMi K20」として発売されています。メインとサブで共通プラットフォームを採用するアイデアは、実はHuaweiが「Huawei」「Honor」の2つのラインで同じ手法を取っています。
Mi 9Tの最大の売りはそのポップアップ式カメラで、台湾のショップでもデモムービーではしきりにカメラの動きをアピールしていました。ディスプレイ台の手前に見えるのはカメラ部分だけを取り出した模型で、カメラの上下に合わせて周りの部分が光る様を表現しています。Mi 9Tはただインカメラが動くのではなく、光りながら出てくるという視覚的にも楽しいカメラなのです。
本体カラーはCarbon black、Red flame、Glacier blueの3色。このうちブラックはややオーソドックスな仕上げで、やはり人気になりそうなのはレッドとブルー。側面に向かい波打つようなグラデーション仕上げがきれいです。なお、RedMi K20も全く同じ仕上げなので、本体を見ただけでは区別がつきません。HuaweiはHonorでは若干仕上げを変えて別の製品に仕上げているものが多くあります。Xiaomiは「販売国ごとに別ライン名でモデルを投入する」という考えのようです。
さて、カメラ性能はフロントが2000万画素で、かなり美しいセルフィーを撮ることができます。アウトカメラは4800万画素+1300万画素+800万画素のトリプル仕様で、実はカメラフォンとしても優れた性能を持っています。それにもかかわらずインカメラを推しているのは、アウトカメラだけではHuaweiやOPPOとの勝負が難しく、フロントも高性能なことを強調したいのかもしれません。
このインカメラはビューティーモードを搭載していますが、顔だけではなく体形や脚の長さを調整するなど、かなり高度な機能を持っています。Xiaomiのセルフィー強化スマートフォンは7月に「cc」シリーズが発表されていますが、ターゲットは若い世代。Mi 9Tは幅広い層向けの製品ですが、cc同様セルフィーにも気を遣いたい女性が持っても満足できる製品に仕上げているのでしょう。
Mi 9Tは台湾で9999台湾ドル(約3万5000円)。6.39型ディスプレイにSnapdragon 730搭載機としてはお買い得な価格といえます。Xiaomiのスマートフォンは今までどちらかといえばCPU性能に重点を置いたモデルが多かったのですが、2019年はこのMi 9Tやccなど、カメラに力を入れた製品が増えています。他社品とのカメラの撮り比べをしてみたいものですね。
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