花屋とキャッシュレス決済の相性は? 「Airペイ」を導入したメゾン フルーリに聞く:モバイル決済で店舗改革(2/2 ページ)
増税に伴い、軽減税率やキャッシュレス・消費者還元事業といった施策も行われているが、特に軽減税率は基本的に飲食料品(と新聞)を対象としているため、軽減税率の影響がない店舗は多い。今回は、東京都の二子玉川に店を構える花屋「メゾン フルーリ」に、キャッシュレス対応による変化を聞いた。
コード決済が少ない理由は?
実際に使われている決済手段は、やはり圧倒的にクレジットカードが多いという。その次は交通系電子マネーが多い。それに対して少ないのがQRコード決済だという。その背景について佐々木氏は、「(二子玉川エリアは)若い人も多く住んでいるが、都心に勤めている人が多く、日中は高齢者が多いからでは」と分析する。とはいえ、都心部の同業者の話ではコード決済もそれなりにいるということなので、二子玉川エリアにはまだそれほど浸透していないのでは、と同氏は推測している。
キャッシュレス決済が増えると、決済手数料の負担が大きくなるという課題もある。それに対して佐々木氏は、「おびえていたほどは使われていない」と話す。逆に「都心の六本木や赤坂の花屋さんに話を聞くとほとんどカード払いだと聞いた」(同)とのことで、そこまで使われると厳しいと感じていたそうだ。
Airペイの入金サイクルは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行の場合は月6回で、メゾン フルーリもここに該当する。これは意外と高い頻度だと感じたようで、「入金が2カ月後といった古いイメージを持っていた」と佐々木氏は笑う。そのため、手数料もそれほど苦にはなっていないという。
キャッシュレス比率は3割程度だといい、特に5000円以上の高額商品だとキャッシュレス決済を利用する人が増えるという。この割合について佐々木氏は「4割まで行くと微妙なライン」と指摘する。これは入金サイクルの問題で、月6回とはいえ、一定の現金が手元にないと「大きな突発的な仕事に対応できない」からだという。花屋の仕入れが現金という点が影響していて、佐々木氏はこうした点を課題に挙げる。
増税の影響は見えていない
現時点で「増税の影響は見えていない」と佐々木氏。10月の増税後、大きな台風が直撃した結果、休業するなどした影響が大きく、前年同月比で2割程度の落ち込みとなったそうだが、それが増税影響かは分からないそうだ。
佐々木氏は、キャッシュレス対応によって高額商品をはじめ、これまでカバーできなかった顧客層に拡大できた点に加え、共通ポイントにも対応できている店もメリットとしてあげる。店舗のオリジナルポイントとは別に、dポイントなどの共通ポイントをカバーできているのは「地域でアドバンテージが取れそう」と期待する。
こうしたメリットに加え、もともと会計ソフトとの連携を行っていたことから、会計やレジ締めの手間は増えることはないため、佐々木氏はキャッシュレス対応のメリットの大きさを感じているようだ。現金のみでもAirレジのようなモバイルPOSを導入することで、いざキャッシュレス対応しようというときに余計な手間がかからずに済む、というメリットはありそうだ。
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