楽天・三木谷浩史会長兼社長の「年頭挨拶」――「これまでにないようなモバイルサービスを消費者に届けたい」
帯電話キャリア各社の社長が恒例の「年頭あいさつ」を公表した。子会社がキャリアデビューした楽天の三木谷浩史社長は、念頭所感でどのようなことを述べたのだろうか。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年1月11日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額税別500円)の申し込みはこちらから。
楽天株式会社
■□年頭挨拶□■
2019年は、楽天グループにとっていくつもの挑戦と成果がありました。
これまでの「FCバルセロナ」や「ゴールデンステート・ウォリアーズ」「スパルタン」とのパートナーシップに加え、「DAVIS CUP」へのスポンサーシップ、映画事業の展開、台湾でのプロ野球参入を通じたブランディングにより、「Rakuten」ブランドのグローバルでの認知度が加速度的に上昇しています。
「Ebates」をいよいよ「Rakuten」ブランドへと移行させ、Lyft社と楽天メディカル社を持分法適用会社としました。「Rakuten TV」や「Rakuten Kobo」、「Rakuten Viki」といった海外事業も順調に育ってきており、楽天グループサービスの利用者は世界で約14億人にグローバル流通総額は19兆円規模にまで成長しました。
国内においても、物流基盤構築やファッション事業を強化し、多様化する消費者ニーズに対して常にサービス品質の改善に努め、パートナー企業を含む持続的な成長を目指したビジネスモデルの進化に取り組んできたことで、「楽天市場」を中心に国内EC流通総額が二桁成長で順調に推移しています。
フィンテック事業においても、「楽天カード」や「楽天銀行」、「楽天証券」「楽天損保」「楽天生命」などにおいて顧客獲得をさらに加速させているほか、政府のキャッシュレス政策の後押しもあり、「楽天ペイ」「楽天Edy」「楽天ポイントカード」などオンラインとオフライン双方のペイメント事業において業界をリードする成長をしています。
そして今年は、完全仮想化クラウドネットワークによる携帯キャリアサービスを本格的に拡大していきます。大きなチャレンジとなりますが、楽天グループの総力を結集して、これまでにないようなモバイルサービスを消費者に届けたいと思います。
本年も、「Walk Together」というスローガンのもと、様々なパートナーの皆様と共に歩み、共に持続的な成長ができるようなエコシステムの進化を図り、社会の発展への貢献を目指してまいります。
■「年頭挨拶」を読んで
挨拶はもちろん代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏によるもの。本来は英語で発信されたものが和訳されてメディアに流れている。
2019年の挑戦と成果について触れられているが、楽天にとって昨年は「大殺界」だったんじゃないかというぐらい悪いニュースが続いた。10月にキャリア事業を本格スタートできなかっただけでなく通信障害も起こったし、本業では加盟店が送料を巡って反旗を翻すなんてこともあった。さらに独禁法違反容疑もかけられた。
2020年はとにかくキャリアサービスを本格スタートさせて、3キャリアの寡占市場をかき乱してほしい。
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