「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知度は9割 「キャッシュレスの支払いが増えた」は約4割――MMD研究所とVisaが共同調査
MMD研究所とビザ・ワールドワイド・ジャパンが、共同で「キャッシュレス・消費者還元事業」に関する実態調査を実施。同事業の認知度は約9割で、同事業によって「キャッシュレス決済の支払いが増えた」と答えた人の割合は約4割となった。
MMD研究所は1月20日、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)と共同で実施した「2020年キャッシュレス・消費者還元事業における利用者実態調査」の結果の第1弾を公表した。調査の対象者は日本在住の20歳〜69歳の男女5万人で、2019年12月13日から12月22日にかけて調査を実施した。今回は「キャッシュレス・消費者還元事業」に対する認知や理解、キャッシュレス決済の利用種別や利用場所などの実態調査を実施している。後日発表される第2弾では、キャッシュレス決済の利用サービスシェアや利用者の便益など、普及に向けた課題などを公表する予定となっている。
対象者に「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知と理解を聞いたところ、「知っているが、内容をあまり理解していない(22.6%)」「知っているが、内容を全く理解していない(7.2%)」「知っており、内容をよく理解している(21.3%)」「知っており、内容をやや理解している(38.9%)」となり、認知率は89.9%、内容の理解率は60.2%となった。
認知している人を対象に認知したきっかけを聞いたところ、「ニュースや情報のTV番組(34.6%)」「TVCM(14.8%)」とテレビで知った割合が半数を占めており、「店頭や街なか(11.6%)」「新聞(9.5%)」「インターネットニュース(5.2%)」と続いた。
10月1日から始まったポイント還元の前後でキャッシュレス決済の支払いに変化があったか尋ねたところ、対象者の4割近くが「キャッシュレス決済で支払うことが増えた(39.3%)」と回答。制度が始まる前後で利用した支払い方法について複数回答形式で聞いたところ、始まる前は現金とクレジットカードが支払い方法の主流で、始まった後もクレジットカードの利用率は高い一方、「QRコード決済」は10ポイント、「スマホ非接触決済」は2.7ポイント、利用率が高まっている。
キャッシュレス決済を「1カ月に1回以上」利用している3万9313人に、1カ月の中で最もよく利用しているキャッシュレス決済を聞いたところ「クレジットカード(52.0%)」「カード型電子マネー(19.2%)」「QRコード決済(18.2%)」の順となった。とくに「QRコード決済」は大型キャンペーンによる利用促進などで一定の利用者を獲得し、「クレジットカード」は幅広い世代・性別に選択されていることが分かった。一方、キャッシュレス決済を利用している4万1504人に、消費者還元事業後でキャッシュレス決済の利用が多くなった場所を複数回答形式で聞いたところ「コンビニエンスストア(41.5%)」「スーパーマーケット(33.1%)」「ドラッグストア(26.5%)」となった。
調査対象者にキャッシュレス決済と聞いて1番に思い浮かぶ決済方法を聞いたところ、「クレジットカード(50.2%)」が最も多く、次いで「QRコード決済(27.9%)」「カード型電子マネー(11.6%)」となる。国が普及推進するキャッシュレス化について体感と期待を聞いたところ、普及の体感については「とても進んでいると思う(7.8%)」「やや進んでいると思う(41.1%)」と肯定的な回答が48.9%を占めた。また、期待に関しては「とてもそう思う(16.5%)」、「ややそう思う(38.4%)」と肯定的な回答が54.9%となった。
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