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5G、1億画素カメラ、折りたたみ――2020年の中国スマホトレンドはこれだ山根康宏の中国携帯最新事情(3/3 ページ)

最新技術の導入で他国に後れを取っていた中国も、2019年11月に5Gサービスを開始して、一気に挽回した。その中国で2020年にはどんなスマートフォンが登場するのだろうか? カメラや形状が大きく進化しそうだ。

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10万円を切る低価格な折りたたみスマホが登場する

 2019年の一番の話題は折りたたみ式ディスプレイを搭載したスマートフォンだった。しかし鳴り物入りで登場したHuaweiの「Mate X」は生産数が極端に少なく、市場で見かけることはほとんどない。また外側へ折りたたむ形状のため、画面破損の報告も相次いだ。同じ形状をしたRoyleの「FlexPai」は、完全に折りたためずヒンジ部分が大きく、メジャーメーカーではないにもかかわらず高価なこともあってか、販売数は好調とはいえない状況だ。

 これに対してサムスンの「Galaxy Fold」は、一度市場に出して不具合が出るやすぐに全量を回収し、修正を行った上で再投入した。中国ではChina Telecomから高級モデル「心系天下W20 5G」としても発売されている。

中国
高級折りたたみスマホとして中国電信が販売するサムスン「心系天下 W20 5G」

 2019年に登場した折りたたみスマートフォンは価格が20万円を超える高価なこともあって、一部の先進的なユーザーが買い求めるだけというニッチな製品にとどまってしまった。だが2020年には、より価格の低いモデルが出てくることで、購入者は一気に増えそうだ。

 TCLが開発中の折りたたみスマートフォンはサムスンと同じ内折り式であり、画面破損の心配は少ない。CES 2020で展示されていたプロトタイプは本体の厚みが若干あるものの、その分価格は低く抑えられそうだ。500ドルを切る5Gスマートフォンを開発したTCLだけに、折りたたみスマートフォンはもしかすると「999ドル」といった市場に衝撃を与える価格で出てくることも期待できる。

中国
TCLの折りたたみスマホ。価格で勝負するモデルになりそうだ

 TCLはAlcatelブランドのスマートフォンの失速により、グローバル市場でも存在感を失っており、2020年は5Gと折りたたみで再起を図りたいはずだ。Xiaomiなども折りたたみスマートフォンを出す予定といわれているが、グループ会社にディスプレイメーカーを持つTCLが技術開発力で一歩リードしているのは確実だ。2020年はTCLのスマートフォンが台風の目になるかもしれない。

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