6カ月間は月額2980円、“無制限”をうたう「ZEUS WiFi」はどれだけ快適に使える?(3/3 ページ)
新型コロナウイルスの影響もあり増えていくと思われるリモートワーク。そのときに選ぶべき安価なモバイルWi-Fiルーターサービスはどれだろうか?
過度な利用に対しては制限をかける場合も
根本的に、こうしたモバイルWi-Fiルーターを使ったサービスでの「無制限」という表現には問題があると考える。実際にキャリア側から無制限にデータ容量を導入できるわけでもなく、どこかに限界点はある。「無制限」と銘打つかぎり、本来は「どれだけ大容量のデータを使ってもいい」はずだが、それは難しいため、どこかで制限を加える必要がある。
公正利用の観点から、過剰な利用に関して制限を加えることは必要なので、あまりに短時間に大容量のデータを利用するユーザーは制限して、通常利用の大多数のユーザーを保護することは重要だろう。
現時点でZEUS WiFiには明確な制限の基準がないので断言できないが、「長時間のYouTube視聴や複数回のWeb会議などでも利用できることを検証している」としており、新型コロナウイルスの影響で急きょ自宅でのネット利用が急増した人にとっては、安価な固定回線代わりとして利用できそうだ。実際、安定して20〜30Mbps程度の速度が出れば、そうした用途には十分で、2〜3台のスマートフォンやPCの同時利用もカバーできる。
速度が極端に遅くなる場合もあり、試用期間中は1日だけ問題があった。そうした可能性を許容できるかが契約のポイントになるだろう。24カ月の契約が前提なので利用には慎重にならざるを得ないが、契約後30日間は無料で解約できるので、まずは1カ月使ってみて、契約を継続するかどうかを判断するといいだろう。
なお、ZEUS WiFiはサービス提供開始後、新型コロナウイルス感染症に関連して在宅で過ごすことが増えた影響で、想定を大きく超える注文が集まったという。そのため、注文は受け付けているものの、既存ユーザーに快適に使ってもらうため、端末の発送を一時停止している。発送再開時期は6月後半〜7月を予定しているが、状況によっては前後する可能性があるとのこと。
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