IIJ、5G SA方式に対応したeSIMを開発 フルMVNOやローカル5Gでの利用を想定
IIJは、5Gの通信方式「5G SA(スタンドアローン)方式」に対応したeSIMを開発。動作検証まで完了したのは国内初になるという(同社調べ)。
インターネットイニシアティブ(IIJ)は、11月2日に5Gの通信方式「5G SA(スタンドアローン)方式」に対応したeSIMを開発し、動作検証完了を発表した。
現在キャリアの5Gサービスは、4Gのコアネットワーク基盤に5G基地局を追加したNSA(ノンスタンドアローン)と呼ばれる方式で構築されている。しかし5G基地局とは別に4G基地局も運用している必要があるため設備の二重投資になり、ローカル5Gのような自営網では導入が困難となっている。一方、5G SA方式は5G基地局のみで利用でき、5G NGC(次世代コア)と組み合わせれば高速通信や低遅延・多数同時接続などを享受できるとしている。
同社は市場に5G SA対応SIMを提供するため、SIMカードベンダーのG+D Mobile Securityとともに開発を進めてきた。移動体通信事業者の業界団体「GSMA」標準のeSIMに、3GPPで規格化された5G SA対応の機能を追加した「eUICC」プロファイルを搭載の上、市販の5G SA対応スマートフォンにダウンロード。試験用の5G SA基地局、5G SAコアネットワークで動作検証を行い、通信を確認した。5G SAに対応したeSIMの開発、動作検証の完了は国内初になるという(同社調べ)。
これにより、5Gコアネットワークを用いたフルMVNO/ローカル5Gで5G SA方式の接続サービス提供に必要となる要素技術を確立。対応機器、端末が商用化され次第、速やかに5G対応できる体制が整ったことになり、今後は同社のフルMVNO基盤で提供するサービスやローカル5GのIoT/M2M用途などを想定して製造業や流通、医療現場などの分野でローカル5G導入を支援していく。また、プラスチックカード型のSIMも今後5G SA対応を進めるという。
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