POS機能やレシートプリンタ機能も搭載 ハンディサイズの決済端末「Square Terminal」
Squareは3月16日、新たな決済端末「Square Terminal」を発表した。無線LANとレシートプリンタを内蔵し、手持ちできるハンディサイズの端末1つで現金、クレジットカード、電子マネーといった複数の決済に対応できる。ボディーは大ぶりだが軽量で、画面タッチは軽快に動作する。
Squareは3月16日、新たな決済端末「Square Terminal」を発表した。無線LANとレシートプリンタを内蔵し、手持ちできるハンディサイズの端末1つで現金、クレジットカード、電子マネーといった複数の決済に対応できる。端末価格は4万6980円(税込み、以下同)。決済機能だけでなくPOS機能やレシートプリンタ機能、無線LAN機能も内蔵しているため、これ1台ですぐにキャッシュレス決済を開始できる。
Square Terminalは、同社としては初めてのハンディターミナル。スマートフォンのように大画面を備えたボディーで、テーブル会計などで持ち出して利用する。画面をタッチして金額を入力したり、あらかじめ登録しておいたメニューを選択したりして会計を実行すると、クレジットカードや電子マネーの待受となり、画面にタッチしたりクレジットカードを挿入したりして決済を行う。クレジットカードで必要な場合のPIN入力は画面上に表示される。レシートはメールでの送信も可能だが、プリンタを内蔵しているのでレシートや領収書もその場で印字できる。
本体はプリンタを内蔵するためか大ぶりのボディーだが軽量で、画面タッチは軽快に動作する。クレジットカードの磁気スワイプ、ICカードの挿入、NFCによるタッチ決済の3面待ち。Suicaなどの交通系とiD/QUICPayというFeliCaの電子マネーもサポートする。
ドロワーを用意すれば現金の支払いにも対応する。コード決済はサポートせず、現時点で「計画はない」と同社ハードウェア ゼネラル・マネージャーのトーマス・テンプルトン氏。ただし、「Squareはハードとソフトを全て自社で設計しており、常にアップデートできるというメリットがある。今後新機能として搭載することはあるかもしれない」としており、要望が多ければ対応の可能性を示唆している。
底面には滑り止めのラバーと持ち歩くときに安定するへこみ、マウントアダプター用のネジ穴がある。オプションの「Square Terminalカウンタートップマウント」を購入すれば、据え置きレジのように固定して使用できる
必要であれば現時点では、店頭に掲示したQRコードを読み取ってもらって支払うMPM方式で現金払いと同じ扱いにして、Square Terminalで処理する、といった代替手段はあるだろう。
決済手数料はVisa、MasterCardなどのクレジットカードと交通系電子マネーは3.25%、JCBは3.95%、iD・QUICPayは3.75%。振込手数料は無料で、最短で翌営業日の振り込みとなる。他に月額固定費などはかからないという点は、既存のSquareのサービスと変わらない。
Webブラウザ経由でSquare POSにもアクセスでき、売上管理やメニューの登録、分析などが無料で利用できる。キッチンプリンタと連携してSquare Terminalで受けたオーダーをキッチンでプリントする、既存のSquare POSを使ったmPOSと連動するといった連携機能も搭載。Terminal APIも公開されており、ビジコム「BCPOS」、ユーエスエス「メガネのレジ」(予定)といった他社製のPOSとの連携も可能になっている。
無線LAN内蔵で持ち運びができ、1台で領収書発行も含めて完結するため、現金払いのみでキャッシュレス対応したい店舗、移動式の店舗、イベントなど、さまざまな店舗で利用できる。米国ではタクシーやスタジアムでの採用例もあり、モバイル通信のテザリングを使って無線LAN環境がない場所でも利用されているそうだ。
USB Type-C端子を備え、有線LANや複数の機器を接続する専用ハブも用意。キャッシュドロワー、バーコードスキャナーといったオプション類を接続することも可能。
キャッシュレス対応のためにmPOSは安価な選択肢となっているが、iPadを別途用意するコストもあった。同社もこれまでクレジットカード/電子マネーのリーダーであるSquare Readerを提供しており、こちらは7980円だが、別途タブレットやシートプリンタが必要だった。それに対してSquare Terminalは、シートプリンタも内蔵しており、画面も備えるため、これ1台でキャッシュレス決済対応が可能という点がメリットだ。
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