大手キャリアの料金プランはどう選ぶといい? 「データ通信」の使い方から考えてみよう(1/3 ページ)
大手キャリアがリリースするオンライン専用料金プラン(ブランド)に注目が集まっていますが、実は大容量プランや格安ブランドのプランも値下げされており、使い方次第ではオンライン専用料金プランよりも有利に使える可能性があります。楽天モバイルを含む4キャリアのプランは同選ぶべきなのか、「データ通信」の使い方から確認してみましょう。
2020年末から、携帯電話キャリアが相次いで新しい料金プラン(料金ブランド)を発表しています。2021年2月からはUQ mobile、Y!mobileが新料金プランの受付を開始し、3月には大手キャリアのオンライン専用プランが相次いでサービスを開始します。
新しいプランに共通する特徴は、従来プランと比べると値引き前の月額料金が“値下げ”されている点にあります。とはいえ、これだけ一気にプラン改定が入ると「どのプラン(キャリア)がいいのか分からない」という悩みも抱えがちです。
これからの季節は「春商戦」と呼ばれるように、進級や就職に合わせて携帯電話を購入する人が増えます。それに合わせて料金プランの見直しをしようという人も少なくありません。
そこでこの記事では、各社の新しい料金プランについて使い方に合わせてお勧めのものを紹介していきます。プラン(キャリア)を選ぶ上で参考になれば幸いです。なお、記事中の料金は、特記のない限り各種割引を行う前の税込みで、計算しています。
データ通信をあまり使わないなら「格安ブランド」
毎月使うデータ通信量が少ない人には、大手キャリアの「格安(サブ)ブランド」の新料金プランがお勧めです。
Y!mobileの「シンプルS」は月額2178円、UQ mobileの「くりこしプランS」なら1628円で毎月3GBの高速データ通信を利用できます。SNSやLINEなど、テキスト主体のコミュニケーションやWebブラウジングが中心ならこれで十分です。両プラン共に、月間データ容量を使い切った場合は上下最大300kbpsの通信速度制限がかかりますが、先に挙げた使い方であればストレスを感じる場面も少ないはずです。
両プランは子どもに持たせるスマートフォンのプランとしてもお勧めです。先の速度制限下でも音楽ストリーミングサービスの多くは問題なく使えますし、画質こそ落ちてしまいますが動画も視聴できます。「進級や進学を機にスマホを」という場合にもピッタリです。
旧プランからの切り替えなら「オンライン専用プラン」
昨今の新料金プランラッシュの中で、特に注目を集めているのが大手キャリアのオンライン専用プランです。ソフトバンクが「LINEMO(ラインモ)」を3月17日から提供するのを皮切りに、au(KDDIと沖縄セルラー電話)は3月23日から「povo(ポヴォ)」を、NTTドコモは3月26日から「ahamo(アハモ)」を提供します。
- →SoftBank on LINEの正式名称は「LINEMO(ラインモ)」 3月17日にサービス開始 通話準定額抜きで2480円から
- →auの「povo(ポヴォ)」は3月23日スタート 早期申し込みで「家族割プラス」のカウント対象に
- →ドコモの「ahamo(アハモ)」は3月26日スタート プラン変更でも利用期間を引き継ぎ
呼び方からも分かる通り、オンライン専用プランは契約手続きやサポートをオンラインでのみ受け付けます。そのため、自宅や職場、学校の近くにあるキャリアショップや家電量販店、携帯電話販売店では一切の手続きを受け付けません。その代わり、オンライン専用プランは「月間データ容量20GBで月額3000円未満」という従来の大手キャリアプランにはない手頃さがあります。
大手キャリアのオンライン専用プランは20〜30代をターゲットに据えている……のですが、年齢から離れて誰にお勧めなのか考えてみましょう。
ケース1:ドコモの20GB旧プランを契約している場合
まず、2年ほど前に提供されていた、20GBプランを使っている人は、オンライン専用プランを真っ先に検討すべきです。ドコモの「シンプルプラン」に「ウルトラデータLパック」を組み合わせたものと、ahamoの料金を比べてみると、月額で4730円の差が生じます。1年間に換算すると、ahamoにするだけで5万6760円も出費を抑えられるのです。
以前の料金プランは「端末購入を条件に月額通信料金を割り引く」という形態の端末購入補助を適用できました。この補助が効いていると仮定すると、オンライン専用プランに移行するとむしろ割高というケースもあり得ます。
しかし、このようなプランは既に提供を終了しており、終了ギリギリで補助を適用した場合であっても、それの有効期限は近々満了するはずです。そのような人は、新プランに移行することで、容量的な意味での使い勝手を維持しながらも節約を図れます。
ケース2:au/UQ mobileの中容量旧プランを契約している場合
10GB前後のデータ容量のプランでも、オンライン専用プランに移行した方が有利なケースもあります。auが2019年9月30日をもって提供を終了した「auフラットプラン7プラス」と、UQ mobileがくりこしプランと入れ替える形で提供を終了した「スマホプランR」と、auのオンライン専用プランであるpovoを比べてみましょう。
auフラットプラン7プラスは、月間7GBのデータ通信容量と一部SNSのデータ定額込みで税込み月額6028円です。一方で、スマホプランRは月間10GBのデータ通信容量込みで税込み3278円です。それに対して、povoは税込み月額2728円となります。
フラットプラン7プラスとpovoを比べると、月額で3300円の差、年額換算で3万9600円の差があります。フラットプラン7プラスには一部SNSのデータ定額があるとはいえ、よほどのことがない限り、SNSのデータ通信量はプラン変更によって増加する13GBの容量で賄えるはずです。
スマホプランRからpovoへの移行では、月額で550円の差、年額換算で6600円の差なので、節約効果は少なめですが、移行することで月間データ通信容量が2倍に増えます(10GB→20GB)。
今まで10GB前後の容量のプランで「月末まで容量が足りるかな?」と試行錯誤して使っていたユーザーであれば、オンライン専用ブランドに移行することでストレスを大きく軽減できるはずです。
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