「LINEMO」の注意点は? ソフトバンク「メリハリ無制限」、Y!mobile「シンプルプラン」と比較
キャリアが提供するオンライン専用ブランドは、店頭でのサポートが受けられない、キャリアメールが利用できないなどの差異がある。今回はソフトバンクのLINEMOを取り上げ、ソフトバンクの「メリハリ無制限」、Y!mobileの「シンプルS/M/L」と比較。LINEMOの場合、「Yahoo! プレミアム/Yahoo!プレミアム for Y!mobile」が自動解約されることも注意したい。
MNOが展開するオンライン専用の新ブランドが提供され、基本料金の割安な選択肢が増えた。その反面、オンライン専用ブランドには、店頭でのサポートが受けられない、キャリアメールが利用できないなどの差異がある。今回は、ソフトバンクの「メリハリ無制限」、オンライン専用ブランドの「LINEMO(ラインモ)」、サブブランドのY!mobile(ワイモバイル)「シンプルS/M/L」をそれぞれ比較しつつ、注意点を確認する。
LINEMOは割安だが、安さを追求するならY!mobileも要検討
まずはソフトバンクの「メリハリ無制限」を取り上げる。同プランでは、通信量の上限がなく、無制限に通信を行える(ただし、テザリングや国際ローミングなどの一部例外はある)。月額料金は7238円(税込み、以下同)で、3GB以下の利用月には自動で1650円相当が割り引かれ、5588円まで下がる。
さらに、各種割引が適用できる。例えば、「新みんな家族割」(3回線以上)で−1210円、「おうち割 光セット」で−1100円を合わせて適用した場合、月額基本料は4928円、3GB以下の月で3278円まで下がる。
一方、LINEMOは、月額2728円で月20GBのデータ通信を利用できてリーズナブルだ。ただし、ソフトバンクで提供されている各種割引については、対象外となるので注意したい。
そして、Y!mobileが提供する「シンプルS/M/L」も、さらに安価な選択肢として注目したい。同プランでは、S(3GB)、M(15GB)、L(25GB)の3容量を選べる。最小の「シンプルS」は、通信量が月3GBに限られるものの、月額料金は2178円まで下がる。ほぼWi-Fi接続下で通信する生活を送っている場合には、魅力的な選択肢となるだろう。「家族割引サービス」または「おうち割 光セット(A)」の割引特典を適用することで、シンプルSは月額990円、シンプルMは月額2090円、シンプルLは月額2970円で運用できる場合もある。
通話料に関しては、ソフトバンクだと家族間通話が無料になる仕組みがあるが、LINEMOやY!mobileには、こうした特典がない。ただしLINEMOは「LINEギガフリー」の仕組みによってLINEの音声・ビデオ通話機能で通信量を消費しない。音声通話にこだわらなければ、実質的には親しい間柄の人への連絡は無料で行えるわけだ。
LINEMOで利用できないサービス
ソフトバンクからLINEMOへ以降する場合、利用できなくなるサービスがある。主に注意したいのは、キャリアメール、留守番電話、Apple Watch モバイル通信サービス、Yahoo! プレミアムの4点だ。各ポイントの概要は、以下の通り。
(1)キャリアメールについて、ソフトバンクで提供している「〜@i.softbank.jp/〜@softbank.ne.jp/〜@-.voadafone.ne.jp」のメールアドレスは、LINEMOやY!mobileに乗り換えた場合、継続して利用することはできない。Webサービスのアカウントに使用している場合には、乗り換え前に変更手続きを行っておこう。なお、Y!mobileでは独自の「〜@ymobile.ne.jp」というメールアドレスを無料で使える。
(2)留守番電話を筆頭に、転送電話やグループ電話、割り込み電話などのオプションサービスはLINEMOでは利用できない。一方、Y!mobileではこうしたサービスの多くが提供されている。
(3)LINEMOとY!mobileでは、Apple Watchで通信サービスを利用するための通信サービスが提供されていない点も注意だ。単体通信を目当てに、せっかくGPS+Cellularモデルを購入したユーザーは気を付けてほしい。
(5)そして、ソフトバンクやY!mobileからLINEMOへ移行する場合、料金プランに連動した「Yahoo! プレミアム/Yahoo!プレミアム for Y!mobile」は自動的に解約される。各種有料サービスのプレミアム会員割引の適用が終了される他、「ヤフオク!」出品中のアイテムについて、出品が取り消されたりすることになるので、該当サービスの利用者は注意しておこう。
なお、携帯料金と合算して支払う決済方法「ソフトバンクまとめて支払い」や「ワイモバイルまとめて支払い」を利用している場合、LINEMOに契約後、これら支払いに登録していたコンテンツはいったん解除され、ソフトバンクまとめて支払いに再度登録をする必要がある。
【訂正:2021年5月13日16時10分 初出時に、LINEMOでは「ソフトバンクまとめて支払い」を利用できないとしていましたが、誤りでした。おわびして訂正致します。】
申し込みやサポートにまつわる違いをチェック
契約できるユーザーや申し込み場所、サポート体制などにも違いがある。
契約者についてはソフトバンクやY!mobileでは「12歳以上の個人と法人」が対象となるが、LINEMOは「20歳以上の個人」に限定される。ただし、物理SIMカードでの契約に限り、20歳以上が契約者となることで、18歳、19歳でも使用者として登録できる(eSIMは使用者も20歳以上のみ)。
対応する支払い方法にも差がある。ソフトバンクとY!mobileでは「口座振替/クレジットカード」の2通りを選択できるが、LINEMOは「クレジットカード」のみだ。
またLINEMOは、申し込み場所や購入後の相談窓口がオンラインに限定される。LINEの公式アカウントからのチャットサポートや申し込み手続きも可能だ。有事の際にショップに駆け込みたいという人は、LINEMOにするとソフトバンクショップに駆け込んでも対応してもらえなくなるので、気を付けたい。
ただし、LINEMOを契約している場合でも、端末を紛失した、盗難に遭ったという場合には、不正利用を防ぐために専用の電話窓口対応で、回線の一時停止手続きをしてもらえる。契約する場合には、もしものときに備えて、連絡先があることを認識しておこう。
ソフトバンクからLINEMOに乗り換えることで、月額2728円で20GBという安価な料金で通信回線を維持できる。ただし、本稿で紹介した通り、キャリアメールや、留守番電話などのサービスが使えなくなることや、サポート体制に違いがあることは、契約前にある程度頭に入れておかなければ、不要なトラブルを招く原因になるだろう。また、契約にまつわって起こりうるトラブルなどに関しても、ちらほらとインターネット上に情報が集まりつつある。維持費の削減だけに注目して突っ走ることなく、具体的な差異や注意点があることを理解した上で、乗り換えを検討してもらいたい。
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