スマホをドライブレコーダーとして使う方法と注意点 役立つ機能はコレだ(2/3 ページ)
自宅に使っていないスマホが眠っている人も少なからずいるだろう。そんなスマホの活用例として、ドライブレコーダーがある。古いスマホは画質が低く難しい面もあるが、近年発売されたハイエンド機なら暗がりも正確に撮影できて便利だ。
実際にスマホをドライブレコーダーとして使ってみた
ここからは実際に使用した際の感想を述べる。今回使用した機種はOPPO Find X6 Proだ。メインカメラには1型のセンサーを採用し、超広角カメラの性能も高いスマートフォンだ。また「MariSilicon X」という外付けの独自プロセッサを搭載しているため、夜間でもノイズを抑えて記録できる。
撮影した場面を示すが、動画から切り出した画像でもきれいに記録できていることがうかがえる。夜間もMariSilicon Xのおかげかノイズや白飛びも抑えて記録できている。この機種はドライブレコーダーとして利用することも見越して購入したので。この結果には満足だ。
続いてiPhone SE(第2世代)でも試してみた。画質面ではやや劣るが、これでも十分実用できる仕上がりだ。光学式の手ブレ補正も備えているのでブレも少なく、YouTubeへのアップロードも問題なく行える。
安価な「Rakuten Hand」でも試した。暗がりの環境では細部のディティールが判別しにくくなるなど、夜間での実用は少々厳しいものを感じた。手ブレ補正も備えていないため、多少の段差でもブレて判別しにくくなることがあった。
このため、高価なハイエンド機では暗がりでもきれいに記録できているが、安価な機種ではヘッドライト付近を記録することがやっとになる。それでも、どの方向から車が向かってきたのか、センターラインをはみ出したか否かといった映像証拠としては記録できるので、万一の場面でも状況証拠としての能力は備えている。
スマホをドラレコとして利用する際に活躍する機能
ドライブレコーダーとして使うためにスマートフォンを購入することは少ないと思うが、筆者としてオススメの機種を考えたい。まず、ドライブレコーダーとして利用する場合は「超広角カメラ」があることが望ましい。スマートフォンの標準カメラは広角よりとはいえ、この用途で利用するには少々画角が狭いのだ。筆者の考える理想系は、超広角カメラのセンサーサイズも大型なものが、夜間でもしっかり写せるのでがベストだ。
この条件にマッチする機種は上記にも挙げたOPPO Find X6 Proなどになるが、国内未発売で価格も10万円以上と高価なので、この用途で購入するには少々ぜいたくだ。日本発売機種に限定するとOPPO Find X3 Proがこの要件を満たしているが、中古価格は5万円以上するなど専用機として仕立てるにはやはり高価だ。
そのため、お試し感覚での導入を検討している場合は、超広角カメラを備えて安価なものがおすすめだ。中古であればGalaxy S10やAQUOS R2などでもいい。廉価な機種よりも基本的な性能が高い「型落ちのハイエンド機種」がねらい目だ。ただ、暗いところでの性能は最新の機種に劣るので、利用する場合はデメリットも認識しておこう。
もう1つ便利なのが「光学式手ブレ補正」だ。これは単なる記録では気にならないが、電子式の手ブレ補正は切り抜き処理を行うため、記録できる画角が狭くなってしまう。画角面の優位性の他、旅の記録としてYouTubeや各種SNSなどに投稿することを考慮すると、光学式の手ブレ補正は欲しい。超広角カメラで備えるものは少ないが、メイン(広角)カメラではiPhoneをはじめとした多くの機種に採用されている。
一方で安価な機種では電子式手ブレ補正しか備えないものが多く、このあたりは価格とのトレードオフとなる。少々特殊な機種となるが、ASUSの「Zenfone 9」のようにジンバルと称されるレベルの強力な光学式手ブレ補正を備える機種では、かなり振動を抑えて記録できる。
特殊なものとして京セラの「TORQUE」がある。TORQUE G03以降の機種ではロードサイクル用の記録に使用する「アクティブオーバーレイモード」が備わっており、ここでは映像記録に加えて概算の速度と高度、加速度などの情報も記録される。ロードサイクル用の機能なので記録できる速度には上限値があるものと思っていたが、自動車の速度でも問題なく記録できる。高速道路で110キロほどの速度で走行しても記録することができた。
この他、スマートフォン本体の色は「白いもの」が望ましい。これは黒系の色だと熱を吸収してしまい、発熱による機能制限などがかかる可能性が高くなるためだ。フロントガラス付近に設置する以上は、熱を含めた波長を最も反射する白が望ましい。これは白系のケースの装着でも多少の効果がある。
また、スマートフォン本体はコンパクトで横幅がスリムなものがいい。横幅のある大型の機種では取り付けられるマウンターが限られること、車種や取り付け位置によっては視界を妨げる可能性があるので注意が必要だ。
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