人気ゲーム「原神」が快適に動くスマホはどれ? 選んではいけない機種とオススメ4機種(1/2 ページ)
若い世代を中心に支持を集める「原神」。スマートフォンでも楽しめるゲームだが、それには一定の性能が求められる。今回は原神が快適に動くスマートフォンをまとめてみよう。
若い世代を中心に支持を集める「原神」。スマートフォンでも楽しめるゲームだが、それには一定の性能が求められる。今回は原神が快適に動くスマートフォンをまとめてみよう。
日本でも人気を集める原神 スマホで遊ぶにはある程度の性能が必要
原神は若い世代を中心に人気を集めるオープンワールドゲームだ。基本はRPGの要素を持つアクションゲームであるが、基本的に無料で楽しむことができる。キレイなグラフィックスやワールドの自由度の高さ、イベント、サイドストーリーの濃密さ、豪華声優陣演じる多種多様なキャラクター、マルチプレイ要素なども人気の理由と考える。
2024年にはスマホ向けプラットフォームでの世界総売り上げが50億ドル(約7500億円)に達し、世界で最も売り上げを記録したゲームの1つとして名を挙げた。リリースから3年4カ月での50億ドル突破は世界最速ペースだという。ちなみに国別の売り上げは中国、日本、米国の順に続いており、日本でも累計で約1600億円の売り上げを記録している。
そんな人気コンテンツの原神だが、スマートフォンの他にもPCやプレイステーション 4やプレイステーション 5でも遊ぶことができるマルチプラットフォームコンテンツだ。PCやプレイステーション向けを基準にしているため、スマートフォンでは画質に制限(720P)をかけている。この制限下でもスマホ向けには高負荷で、快適に動かせるボーダーラインは高い。それでもなお、原神はスマートフォンで遊ぶユーザーが半数以上を占めるようだ。
こんな重たいコンテンツをスマホで遊ぶのはむちゃだ、と思うかもしれないが、ここには中国の事情が絡んでいる。中国では政府が家庭用ゲーム機を青少年保護の観点から長らく販売を原則禁止しており、厳しい検閲付きながら全面解禁されたのが2015年と比較的最近という背景がある。
そのため家庭用ゲーム機のなじみが薄く、ゲームといったらもっぱらPCやスマートフォンというプラットフォームの印象が強い。これは数字にも表れており、JETRO(日本貿易振興機構)が公表している「中国でのモバイルゲームが同国のゲーム市場に占める割合」は2022年で72.61%と、かなり大きな割合を占める。中国ゲームメーカーの超大作ゲームがPC向けのみならず、スマホ向けに多く展開されたり、同国で「ゲーミングスマートフォン」という市場が確立できる背景にはこのような事情もあるのだ。
原神を快適に遊ぶスマートフォン選び 注意点はストレージと「Google Pixel」
原神を高画質で楽しむなら、スマートフォンもしっかり選びたい。まず、スマホ版原神の最低ラインはiPhone 8以降、Androidスマートフォンでは64bit対応SoC 搭載機でメモリ4GB以上、Android 8.0以降としている。
推奨環境はAndroidスマートフォンでSnapdragon 855以上、Kirin 820以上でメモリ6GB以上としているが、これは2020年のリリース当初から変わっていない。しかしこの推奨環境は実態に沿っていないのだ。
筆者としては、スマホ版の原神を高画質、60fpsの設定で満足に動かすならiPhoneはiPhone 13(A15 Bionic)以降、AndroidスマートフォンではSnapdragon 8+ Gen 1以降の機種をお勧めしたい。具体例としては2022年秋以降発売のハイエンドスマートフォンで、「Zenfone 9」や「Xiaomi 12T Pro」以降が目安だ。メモリは最低でも8GBは欲しい。
もっとも、画質を落とせばある程度古い機種や性能の低い機種でも楽しめる。画質「中」、30fps(初期設定)なら当初の推奨環境のSnapdragon 855以上、Kirin 820以上でも不満は少なく動作するが、筆者としてはここを妥協できる最低ラインとしたい。このラインにはSnapdragonでいうところの7 Gen 1や778Gといったアッパーミドル、MediaTekのDimensity 1100(6020)などが含まれる。
ベンチマークスコアで比較したいところではあるが、原神の場合は機種によっては相性の悪いものが存在し、単純にスコアだけで判断することは難しい。参考程度になるが、GeekBench 6というソフトでCPUのマルチスレッドのスコアが3000点前後ものが、原神を画質を落として満足に遊べる最低ラインと評価したい。
なお、「Google Pixel」についてはあまりオススメできない。性能的には申し分ないが、搭載するTensorプロセッサと原神をはじめとしたゲームとは相性が悪く、最新の「Pixel 8 Pro」をもってしても高画質環境では30〜40fps止まりだ。
比較的廉価なaシリーズなら画質を落としても気持ち的に割り切れるが、iPhone並みに高価な上位モデルでは「価格に見合わない」と感じる。原神だけでなく、ハードにゲームで遊ぶことを視野に入れる場合は選択肢に含まない方がよさそうだ。
筆者としては、原神で遊ぶスマホは上記の基本性能はもちろん「ストレージ容量」も重視すべきと考える。直近のVer4.5のアップデート後の原神の容量は32GBを超える。このデータはmicroSDに逃がすこともできず、本体のストレージに鎮座することになる。これでは64GBはもとより128GBでもかなり厳しくなってくる。最低でも256GBの容量を選べる機種を選択したい。
関連記事
- Xperiaと「原神」のコラボモデル、18万8400円で受注販売 実機を見てきた
ソニーマーケティングは、ゲーム「原神」とコラボしたスマートフォン「Xperia 1 V」コラボモデルの受注販売を開始した。価格は18万8400円(税込み)。 - 初心者が選んではいけないスマートフォン iPhoneとAndroidの共通NGポイント
スマホ初心者を対象とするような機種も多くあるが、誤った機種を選択すると「失敗」したという声を毎年のように耳にする。今回は過去に数百台のスマートフォンを購入し利用してきた筆者が、初心者が選んではいけないスマートフォンを紹介しよう。AndroidとiPhoneで共通する注意点がある。 - 今、スマートフォンのストレージが128GBですら厳しい理由
高速かつ大容量の通信インフラ下での利用を前提としたリッチコンテンツが台頭する中、スマートフォンのストレージが容量不足になるという声を多く聞く。ハードウェアの進化も影響している。今、スマートフォンを選ぶならストレージは256GBが安心だ。 - 廉価スマホを「初心者向け」に勧めるのが危険な理由 iPhoneとAndroidのオススメ機種はコレだ
スペックが低い廉価なスマートフォンが「初心者向け」とうたわれることが多いが、必ずしも初心者に勧められるとは限らない。2万から3万円の性能の低い機種やストレージの少ない機種を選んでしまうと、使っていくうちに不満を感じることもある。どんな機種がオススメかは、スマートフォンの利用頻度や用途によって変わってくる。 - Androidスマートフォンの“寿命”がiPhoneよりも短い理由
今回はスマートフォンをとりまくOSアップデートの実情、新たな取り組みについて考察する。AndroidスマートフォンのOSアップデートがiPhoneよりも少ない背景には、検証コストやプロセッサのサポート期間がある。そのAndroidスマートフォンでも、OSのアップデート長期化の流れも見え始めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.