スマホが高温になるデメリット
高温にさらされたスマホは“スマホの熱中症”といわれるように、処理性能が低下したり、バッテリーが劣化したり、最悪の場合はバッテリーが膨張して危険な状態になることも考えられる。スマホを使う周囲の適正温度は5度から35度程度に設定されていることが多く、その範囲外の温度で使うと不具合が起こる可能性が高い。
車内のホルダーにスマホを取り付けて使う場合は、定期的に本体に触れて高温にさらされていないか、よく確認したほうがいいだろう。もし直射日光ががよく当たってしまうなど危険な状態であれば、設置場所を再検討するか、影になる場所に置くなど注意が必要だ。スマホ本体を取り出す必要がないCarPlayやAndroid Autoといった機能と、車載インフォテイメントの連携を積極的に活用するのも手だ。
さらにスマホ以外にもバッテリーを搭載した製品を車内に置くのは危険だ。さまざまな工業製品のテストを実施している製品評価技術基盤機構(NITE)は、YouTubeでモバイルバッテリーをダッシュボード付近に放置した場合の実験映像を公開している。
動画ではダッシュボード付近に放置したモバイルバッテリーが膨張し、本体が割れた状態で勢いよく炎が上がっているようすが収められている。大きなエネルギーを持っているモバイルバッテリーは特に発火の危険性が強く、大きな事故につながることも考えられる。
そして最近はどこでも風に当たれるハンディファンなども人気を集めている。自分が気を付けていても家族や友人が車内に置き忘れて外に出る、なんて場面も増えてくるだろう。ハンディファンにもバッテリーが内蔵されているため、高温になる車内に長時間放置してしまうと、万が一の危険性も考えられる。また、最近はキャンプ用途でポータブル電源を持ち運ぶ機会も多いが、車に積みっぱなしのような使い方は避けたほうがよさそうだ。
──この記事の筆者も以前からこれらに気を付けているつもりだったが、あらためて確認してみると、万が一のバッテリー切れで役立つエンジンスターター機能付きモバイルバッテリーをトランクにしまい込んでいた。直射日光が当たらない場所とはいえ、暑さが厳しい夏場の車内にバッテリーを保管するのは危険だと反省した。
普段、エアコンが効いている状態で乗っているときが気付きにくいが、あらためて自身の環境を確認してみることをおすすめしたい。
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