「AQUOS R9 pro」のカメラ機能を「Xiaomi 14 Ultra」と比較 よかったのは望遠、悪かったのも望遠(1/3 ページ)
2024年末、カメラ機能でユーザーを驚かせたスマホといえば「AQUOS R9 pro」だと思う。これを「Xioami 14T Ultra」と比較してみた。大型センサーの搭載は意欲的で面白いが、シャッターボタンの搭載や手ブレ、ピンボケのしやすさがあだとなっている。
2024年の末頃、カメラ機能でユーザーを驚かせたスマホといえばベースモデルとなる「AQUOS R9」から半年遅れで発表された「AQUOS R9 pro」です。
今まで1型センサーのカメラ1つで勝負してきたAQUOSのハイエンド機種ですが、R9 Proからはライカ監修のVARIO-SUMMICRONカメラシステムを搭載。VARIOとはラテン語で「変える」を意味し、ライカやカール・ツアイスなどの独カメラメーカーのズームレンズに利用された名前であり、ハイエンドAQUOSがシングルカメラ一本足打法からアップデートしたことを示しています。
今回はそんなAQUOS R9 proの実機をお借りすることができましたので、カメラ機能を中心に、2024年のベストカメラスマホと称されているXiaomi 14 Ultraとも比較しながらレビューしていきます。
【訂正:2025年1月27日10時00分 初出時、AQUOS R9 proの比較対象を「Xiaomi 14T Pro」としていた箇所がありましたが、正しくは「Xiaomi 14 Ultra」です。おわびして訂正いたします。】
3つのカメラを搭載した全く新しい「VARIO-SUMMICRONカメラシステム」
AQUOS R9 proのアウトカメラは以下の3つのカメラを搭載しています。
- 標準カメラ:5030万画素 1/0.98型 23mm/F1.8 全画素PDAF/OIS対応
- 広角カメラ:5030万画素 1/2.5型 13mm/F2.2 PDAF対応
- 望遠カメラ:5030万画素 1/1.56型 65mm/F2.6 全画素PDAF/OIS対応
加えて正確な色味を測定する14chスペクトルセンサーを搭載しており全てを取りまとめて「VARIO-SUMMICRONカメラシステム:1:1.8-2.6/13-65mm ASPH.」という名前を冠しています。
SUMMICRONとはライカにおいてF2.0の明るさを持つレンズにつけられる名前であり、多くのレンズで開放からシャープな映りをすることで有名です。名前から考えると芸術的なふんわりとした描写というよりは、くっきり写ることが期待できます。
従来のハイエンドAQUOSは1つのメインカメラを搭載し、広角から望遠までAI補正とデジタルズームで対応する形でしたが、AQUOS R9 proからは他社ハイエンドスマホと同様に複数のカメラを組み合わせて使うスタイルへ変更されました。これにより、望遠の画質向上や標準のレンズでの無理のない設計が実現できたとのこと。詳細は開発者インタビューをご覧になっていただければ理解がより深まるかと思います。
手に取ってみると、まず驚かされるのがその目を引くデザイン。AQUOSおなじみの三宅一成氏によるMiyake Designですが、ひと目でカメラだ! と思わせる円形のカメラバンプが印象的です。各種文字も横向きに配置されており、横に持ってカメラとして使うことが想定されたデザインだというのを感じさせられます。
【訂正:2025年1月29日10時30分 初出時、三宅一成氏のお名前に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】
シャッターボタンは本体の端に配置されており、窪みも相まって構えたときに自然にシャッターボタンに手がかかるようになっています。iPhone 16シリーズのカメラコントロールのように「あくまでAI機能の一貫として」ではなく、カメラらしさを追求した触り心地でとても好印象です。
カメラライクな撮影体験が魅力
シャッターボタンの搭載によって撮影体験そのものがアップグレードされています。
シャッターボタンでカメラを起動→そのまま撮影の流れは迅速。外付けのグリップなしですぐに撮影に移行できるのはスナップシューターとして最適で、シャッターチャンスを逃しません。
フィルターを利用できるようになった点もカメラライクに使えるようになったところです。別売りのマグネットアタッチメントを使えば62mmのカメラ向けフィルターが利用可能になります。
筆者は「Leitz Phone 1」がマグネットでレンズキャップをつけられたときからマグネットでフィルターが付けばいいのに、と思っていましたが、まさかのそれが実現! これでNDフィルターを使った長時間露光や、PLフィルターを使った反射低減といった本格的な撮影も可能になりました。
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