ダイソーで550円、USB Type-Cで充電できる乾電池型バッテリーを試す 便利だけど注意点もあり(1/2 ページ)
ダイソーで販売されている「USB-C充電式乾電池型リチウムイオンバッテリー」は、見た目は一般的な単3電池そのもの。しかし、USB Type-Cポートを備え、ケーブルを直接差すだけで充電できるというユニークな製品だ。専用の充電器が不要で、スマートフォンやノートPCと同じUSBケーブルで充電できるが、注意点もある。
ダイソーで販売されている「USB-C充電式乾電池型リチウムイオンバッテリー」は、見た目は一般的な単3電池そのもの。しかし、USB Type-Cポートを備え、ケーブルを直接差すだけで充電できるというユニークな製品だ。
価格は1本550円(税込み)。専用の充電器が不要で、スマートフォンやノートPCと同じUSBケーブルで充電できるのが大きな特徴。ダイソー商品らしく入手性も高く、気軽に試せるのが魅力の製品だ。
実際に使える? 実測では1.5Vをしっかり出力できることを確認
この手のバッテリーで気になる点は「本当に乾電池の代わりになるのか」というところ。パッケージには「定格電圧1.5V」「容量1332mAh」「充放電回数約300回」といった表記があり、充電中はLEDが点滅、満充電で点灯する仕組み。充電に1時間半ほどかかるとしている。
実際にテスターで測定してみると、実測で出力電圧が1.51〜1.53Vと、一般的なアルカリ乾電池と同等の値を確認できた。このため、リモコンやマウス、懐中電灯、ミニ四駆をはじめ、通常の乾電池で動作する機器の多くで問題なく利用できる。
乾電池型のリチウムイオン電池が支持される理由の1つが「1.5Vの電圧を取り出せる」という点にある。一般的な乾電池型の充電池(ニッケル水素二次電池)は定格1.2Vの仕様のため、機器によっては電圧不足で利用できなかったり、常時電池残量不足の表示が出たりするものもある。
このようなニッケル水素二次電池が抱える「電圧不足」という問題を解消しつつ、充電して繰り返し利用できる点から、乾電池型のリチウムイオン電池が注目を集めている。
充電はUSB Type-C端子から行う。急速充電規格には対応しておらず、5V-1Aの一般的な出力で充電される。一般的に販売されている充電器で問題なく充電が可能だ。
複数本のバッテリーを同時に充電するには、本数分のケーブルと充電口が必要になるので不便だが、1〜2本程度ならさほど問題なく充電できる。充電時間も1時間半程度とおおむね公称通りだった。
安全面について、PSEマークを正式に取得しており、日本国内で法的に販売できる安全基準を満たしている。PSEマークの申請は販売元の磁気研究所が行っており、同社はHiDISKブランドでPCやスマートフォンの周辺機器を展開していること、日本ポータブルリチウムイオン電池リサイクルセンター(JBRC)の会員企業である点は信頼がおける。
この手のバッテリーには日本の安全基準を満たさないもの、PSEマークが本体に描かれていても、「ただ描いただけ」というインチキな製品、廃棄時の回収方法を示さないメーカーも存在する。そのような製品と比較すると、ダイソーの乾電池型のリチウムイオン電池は製品としては安心できるラインにあるといえる。
利用に当たって注意すべき点 乾電池とは“違う特性”を持つ電池
一方で、この製品は「乾電池の代わり」とはいえ、内部にはリチウムイオン電池が採用されている。そのため、一般的な乾電池やニッケル水素二次電池とは特性が異なり、使う際にはいくつか注意点がある。
まずはバッテリー残量が少なくなった際の電圧の落ち方が急であること。リチウムイオン電池は残量が減っても最後まで一定の電圧を保つ特性がある。そのため、残量が少なくなっても1.5Vで動作し、ある時点で突然電圧がストンと落ちるのが特徴だ。
例えば、プラレールや懐中電灯では「だんだん遅く/暗くなる」ことなく、急に使えなくなってしまうようなイメージ。電池の電圧低下で「交換サイン」を出すような機器では、サインが出ることなく突然使えなくなる。
そのため、電池切れで使えないことが判別できる懐中電灯などの灯具、日常的に利用するキーボードやマウス、コントローラーには相性がいいと考える。一方で、乾電池で動くゲーム機(古い例えではゲームボーイアドバンス、ワンダースワンなど)やデジタルカメラをはじめ、電池交換の予兆が欲しい機器では思わぬタイミングで電源が落ちる可能性があるため不向きだ。
意外なところでは、ノイズや物理的な相性の問題がある。乾電池は一般的にクリーンな電源とされているが、乾電池型のリチウムイオン電池はそうではない。その理由は、電池内部に昇降圧回路を持つ関係で、微弱なスイッチングノイズ(リップル)が発生してしまう。
この関係から、オーディオ機器やラジオ、無線機(トランシーバー)、テスターなどの測定器といった電気的なノイズに敏感な機器では、誤動作やノイズ混入の原因になる場合がある。
また、物理的に相性が悪い、使えない機器も存在する。これは乾電池型のリチウムイオン電池では端子の形状や本体の長さが通常の乾電池とわずかに異なるため、機器によってはボックスに入らなかったり、接点がうまく届かず使用できなかったりする場合がある。
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