「一瞬の退屈も我慢できない」SNS中毒“ドパガキ”ってなんだ? その心理と、日本以外の状況(2/3 ページ)
一瞬の退屈にも耐えられず刺激を求め続ける「ドパガキ(ドーパミン中毒)」現象が注目を集めています。脳の報酬系を刺激するアプリの仕組みやタイパ主義の影響、海外での子供へのアクセス規制の動きを解説します。
そもそもアプリの設計がドパガキを生み出す構造になっている
SNSも常に多くのユーザーによって投稿が更新され、スクロールすればほぼ延々と新しいコンテンツを閲覧できます。たとえそれほど面白くないと感じていても、「次にもっと面白い投稿が出るかもしれない」という期待から、つい長時間眺めてしまうのです。
次々と新しいコンテンツが表示される「無限スクロール」、動画が終わると自動で次が始まる「自動再生」、アプリへの再訪を促す「プッシュ通知」など、現代のプラットフォームは人を飽きさせず、長時間利用させるような設計が施されています。
私はスマホの長時間利用を防ぐ方法として「他のことに集中する」ことを推奨していますが、ドパガキ現象に対しては決め手にならないかもしれません。なぜなら、親しい友人と会っているときでもSNSを開いたり、家族でテレビを見ながらショート動画をチェックしたりと、複数の行動を同時に行い、一瞬でも脳を暇にさせないような行動を取るからです。
infoQが15〜29歳の962人を対象に実施した調査(2026年5月)によると、SNSの使いすぎによる疲れやストレスを「頻繁に感じる」人が12.8%、「たまに感じる」人が44.8%に上り、合わせて6割近くが何らかのSNS疲れを経験していることが分かりました。
無限スクロールをやめられない理由として最も多く挙げられたのは、「頭を使わずぼーっと受動的に楽しめるから(31.9%)」でした。これは「一瞬の退屈も我慢できない」というドパガキの定義と一致します。2位は「次々と好みのコンテンツが流れてくるから(23.9%)」とプラットフォームの設計に起因するものであり、3位には「現実のストレスや勉強などから逃げたいから(22.2%)」と、ついスマホに逃避してしまう心理が表れています。
また、SNS疲れを感じる原因(複数選択)の1位は「知りたくない情報まで目に入ってしまう(28.3%)」、2位は「なんとなく疲れる(23.7%)」、3位は「情報量が多すぎて処理しきれない(22.2%)」でした。ここからも、無限スクロールや自動再生に翻弄されている様子がうかがえます。かつてのSNS疲れといえば「他人への嫉妬」や「いいね数への執着」など人間関係が主な要因でしたが、その本質は大きく様変わりしているといえます。
こうした「一瞬の余白も埋めたい」という欲求は、動画やSNSの領域を超えて広がりつつあります。
例えばカラオケでは、楽曲の盛り上がるサビだけを楽しめる「サビカラ」というサービスが人気を集めています。1曲あたり15〜50秒に短縮されており、よく知っている箇所だけを手軽に歌える点が支持されています。
そもそも音楽市場においても、イントロを省略したり、開始数十秒でサビに到達させたり、唐突な転調でリスナーの耳を引きつけ続ける楽曲構成が増加しています。SNSで話題を作り、音楽サブスクリプションでランキング入りを狙うという、現代のヒットの法則に沿った変化といえるでしょう。
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