News 2000年12月6日 09:22 PM 更新

もはや“WAP対iモード”ではない──オープンウェーブシステムズ設立

WAPで知られるフォンドットコムと,メッセージングアプリケーションで有名なソフトウェアドットコムが合併し,オープンウェーブシステムズが誕生した。

12月6日,フォンドットコムジャパンと日本ソフトウェアドットコムが合併し,オープンウェーブシステムズの設立を発表した。新CEOには,日本ソフトウェアドットコムのCEOを務めていたトルング・マイ氏が,新COOにはフォンドットコムジャパンの代表取締役社長を務めていた石井和彦氏が就任する。

WAPとiモードはもはや対立しない

 フォンドットコムというと,携帯電話での通信言語であるWAP関連商品が主力だという印象がある。iモードが海外にも展開しようとするなか,WAPは世界標準を確立したとは言い難い状況だ。

 次世代のWAPは,iモードとの互換性を考慮して策定されるといわれている。マイ氏が「iモードのブランドは次の標準を決めていく上で非常に重要」と言うとおり,もはや実質的にはiモードベースで世界標準が決められるという印象だ。

 マイ氏も,もはや“WAP対iモード”ではないことを強調する。「標準や技術は常に進化していく。キャリアのサービスも次の段階へ進んでいく。ドコモもWAPフォーラムの積極的なメンバーであり,次世代の規格策定を進めていく」(マイ氏)。

 新会社のCOOである石井氏も,「記述言語が1つに統合されようとしている。それがXHTML。いち早く製品を提供していきたい」と新世界標準となる市場に意欲的だ。

 「日本はワイヤレスマーケットのリーダー。ヨーロッパやアメリカに比べて2年以上先を行っている。ブラウザにおいても進んでいるので,その部分を学んでいきたい」(マイ氏)。

 オープンウェーブシステムズでは,新会社設立を機に日本でも技術開発/研究に力を入れ人員を拡大していく。あわせて,その成果を海外に展開していくという。「日本での規模は現在100名強。2001年末までに250〜300人,2002年末までには400〜450人に増やす」(マイ氏)。

 なお,オープンウェーブという社名は,「オープンスタンダードを強くサポートしていきたい。市場に新しい波を起こしたい」(マイ氏)というところから来ているという。

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[斎藤健二, ITmedia]

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