News 2000年12月15日 11:06 PM 更新

ADSL導入! で,雑音に悩まされる

 どうせダメだろうと思っていたDSLがやってきた。サービスが提供できない場合は初期費用はいらないということなので,ダメもとで申し込んでおいたら,問題なくつながってしまったのだ。

 今回,うちに開通したのは東京めたりっく通信の「Family 1600」というサービスで,下り1.6Mbps,上り270Kbpsというものだ。同社では,9月1日から都内23区全域での申し込み受付を開始していたが,うちを管轄するNTTビルでコロケーション工事が行われ,開局したのが11月17日だったので,実際には,それからほぼ1カ月でうちまでDSLがやってきたことになる。コロケーション工事というのは,収容電話局内にサービス側のDSL装置を設置する工事のことをいうらしい。

 申し込みをすると,まずはサービス側がNTTに対して回線机上調査というのを依頼するらしい。ここでは,利用予定回線が光ファイバー収容であるかどうかの確認が行われる。その結果,メタリック線であるという回答を得られたというメールがきたのが12月4日だ。

 さらにその翌日,「NTTから12月13日に局側工事を行うという連絡があった」という電子メールが届いた。

 そして,このメールには,宅内工事のために,その工事の翌日以降の平日を選ぶように記され,URLが書き込まれていた。そのページを開き,フォームに希望日を入力するという方式だ。希望日は,第3希望までを指定することができた。時間帯も,

1,10:00〜12:00
2,13:00〜15:00
3,15:00〜17:00

の3種類ある。局側工事が13日なので,ぼくは14日の朝,午後一,夕方の順に希望を出しておいたところ,12月7日に,14日の13時に宅内工事のために来訪するという電子メールが届いた。

 ここまでの連絡は,Webで申し込み,連絡事項は電子メール,工事の希望日指定もWebだ。サービス側の人間と会う必要もなければ,声もきいていない。逆にいうと,インターネットが使えなければ,申し込みすらできないということだ。

いよいよ工事

 さて,局側工事当日の12月13日,朝の9時前! に,NTTから電話があり,これから工事を始めるという知らせを受けた。数分で終了するので,終わったら電話するということだったが,実際に電話で工事終了の案内を受けたのは30分後だった。局側の工事は,局内のものなので,立ち会う必要はない。もし留守だったら,そのまま工事を進めるのだろう。

 工事が終わっても,電話は今までと同じように使えるし,特に,何か音が変わったというような感じは全くなかった。

 そして,宅内工事当日の12月14日。午後1時きっかりに,玄関のチャイムが鳴り,工事担当会社の職員がやってきた。

 宅内工事といっても,特に何を工事するわけではない。まず,スプリッタと呼ばれる小さなアダプタを壁のモジュラージャックに差し込む。これは,狭くて汚い机の下だったので,ぼく自身が差し込んだ。

 このアダプタには,2つのジャックが付いていて,片方に電話機へのケーブルを,もう片方にルータへのケーブルを装着する。ルータには,イーサネット端子があるので,そこにパソコンのNICをつなげばDSLでのインターネット接続が可能となる。

 ケーブルの接続ができると,工事担当者は,持参のノートパソコンを接続し,開通試験をする。脇で見ていると,FTPでファイルをアップロード,ダウンロードしているようだった。聞いてみると,下り1272kbps,上り237Kbpsが出ていて,この値は平均的なのだそうだ。

 これらに関して,その場で確認書が作成され,「取り付け作業と開通を確認し,利用代金の支払いに同意します」という欄にチェックをつけ,署名捺印をする。あとは,自分でやりなさいということだ。作業時間は30分程度だっただろうか。ここのところは,1日に4〜5軒の工事をやっているということだった。

複数の電話を使っていると……?

 うちは,この業界に住んでいるユーザーとしては,珍しいと言われるのだが,まだ,アナログ電話回線が1本残っている。だから,それを使ってDSLを開通させたのだが,実は,これがちょっとつらい。

 まず,うちの中には何カ所かに電話用のモジュラージャックがあり,今のところ,合計3台の電話機がつながっている。電話がかかってくると,全部の電話機のベルが鳴るという,ありがちな配線だ。こういう家は少なくないと思う。

 DSLモデムを設置したのは,ぼくの仕事場なので,周波数帯域をフィルタリングするスプリッタは,ぼくの部屋だけにあるのだが,そこにつないだ電話機でも,かなりの雑音が入ってしまう。スプリッタをつけずに直につながっている電話機にいたっては,雑音が大きくて,使いものにならない。

 このノイズを軽減させるには,各電話機ごとにスプリッタを付ければ良いらしいのだが,その購入などに関してはサポートに電話してほしいと工事担当者に告げられた。したがって,電話機の雑音に関しては「有・多少ノイズ,お客様了承済」ということで開通完了確認書が作成されている。

 そんなわけで,追加のスプリッタを入手しようと,サポートにずっと電話をかけているのだが,これが話し中が続いていて全くつながらない。仕方がないので,指定されたアドレスに電子メールを送ったのだが,これで約24時間が経過したにもかかわらず,何の反応もない。困ったもんだ。いずれにしても,これでは普通に電話が使えないので,現段階では,まだ,本格的にDSLを試してみるという段階には達していないのだ。

 次回は肝心の使い心地などを含めて,DSL環境についてさらに踏み込んで紹介することにしよう。これがまた,いろいろたいへんなのだわ。

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▼ DSLモデムの設定(東京めたりっく通信)

[山田祥平, ITmedia]

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